食欲がとまらない……というとき、どうしている? 今回は、ホリスティックへルスコーチのAYUMIさんに教えてもらった「食べても食べてもおなかがすく理由と対処法」についてご紹介する。

以下の質問に当てはまる場合、必要な栄養が足りていないサインです。

  • おなかが鳴ったり、ぼーっとしたり、イライラすることが多い
  • しっかり食事をしたはずなのに、まだ何か食べたくなる
  • いくら食べてもおなかがいっぱいにならない、満足するという感覚がない

空腹は、体にエネルギーを供給するための栄養素の生理学的症状です。

車が動くために燃料としてガソリンが必要なように、私たちの体は生きるため活動するためのエネルギーを生み出すために食べる物を必要としています。燃料がなくなると動かなくなる車と同じように、体は必要な燃料となる食べ物を補充する必要があります。

生物学的な観点から見ると、私たちの体は胃の中でグレリン*(1)と呼ばれるホルモンを生成し、体が食べ物を必要としていますよ、燃料が足りていませんよ、という信号を脳に送ります。食事をすると脳に十分なエネルギーが行き渡り、食物を摂取する必要がないことを知らせます。そして食事をした後、 3 ~ 5 時間後に再び空腹を感じ始めることが一般的です。

しかし、食べ物を食べたにも関わらず、おなかがいっぱいになることがない、エネルギー不足、満足できないと言う場合は、タンパク質や脂質、食物繊維が不足した食事をしていたり、過度のストレス、脱水症状など、様々な原因が考えられます。

過度な空腹を感じる5つの理由と対処法

①タンパク質を十分に摂っていない

サーモン

タンパク質は、空腹ホルモンを調整することで、食欲のコントロールに重要な役割を果たします。そのため、十分な量を食べないと、頻繁に空腹を感じることがあります。

食事をしても満たされない場合、まずタンパク質が足りていないのではないかと疑問を持つことからはじめましょう。

食欲をコントロールするためには、毎回の食事で十分なタンパク質を摂取することが重要です。

*(2)ある研究では、タンパク質の摂取量が多い人は、1 日を通して満腹感が高いことが示されています。

タンパク質は、肉、鶏肉、魚、卵、牛乳やヨーグルトなどの乳製品や、豆類、ナッツ類、種子類、全粒穀物に含まれています。おやつにもタンパク質が入っているかを確認してくださいね!

毎回の食事にタンパク質を意識して摂取することで、過度の空腹を防ぐことができます。

*(1)www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4443295/
*(2)pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20847729/

②睡眠が足りていない

睡眠は食欲のコントロールに不可欠です。私たちが眠っている間に、脳と免疫システムは強化され、消化され、空腹ホルモンであるグレリンが調節されます。十分な休息をとれていない人は、このホルモンの量が多くなり、食欲が増します。

睡眠不足によって、より頻繁に空腹を感じるようになる可能性があります。

空腹感を抑えるために、毎晩7時間から9時間、途中で目覚めることなく、すっきりと起きることのできる良質な睡眠をとることが重要です。

③極端な“ダイエット”をしている可能性が高い

極端な食事方法は一時的に体重が落ちるかもしれませんが、長期的ではなく、その後過食を引き起こす可能性が高くなります。体内のバランスが崩れ、食事で満たされなくなることもあります。

極端なダイエットをしてきた、もしくはしているなら、もう一度考え直す機会かもしれません。

極端な食事の代わりに、長期的な目線で自分の体を見て、持続可能的な食事をはじめることを決意しましょう! そうすることで食べ物との良好な関係を築き、過食など罪悪感を抱く習慣を防ぐことができます。

④水分の摂取が足りていない

ayumiさん

“水は飲んでいます”という方でも詳しく話を聞くと十分な量を摂取できていないことはよくあります。そして水を十分に飲んでいないと、いつもおなかが空いていると勘違いを引き起こします。

十分な水を飲むことは、脳と心臓の健康促進、運動のパフォーマンス向上、皮膚や消化器官を健康に保つだけでなく、食前に飲むと食欲を抑える作用があります。

多くの人が脱水症状と食欲を勘違いをして、食べ物を食べ過ぎています。いつも食べても満たされない方は、食事の前、おやつを食べる前にコップ1杯の水を含むように飲んでください。そうすることで自分が脱水症状で空腹を感じていたのか、本当におなかが空いているのかを判断できるようになりますよ。

⑤ストレスが多すぎる

慢性的なストレスは、食欲を増加させるホルモンであるコルチゾールのレベルを上げます。ストレスがあると、過食、空腹感の増加、体重増加につながる可能性があることが研究*(3)で示されています。

食事を抑えることができない方は、何からストレスを受けているのかを考えてください。人間関係や仕事、お金、運動不足などの要因も考えられます。そしてストレスを特定したら、改善に向けて行動する必要があります。

慢性的なストレスとは6ヶ月以上、ストレスがかかる状況にあることを指します。その状況はあなたを過食させるかもしれません。簡単な行動で構いません、今からできる小さな改善から始めて、ストレスと上手に付き合う方法を見つけましょう!

環境を変えることが一番ですが、変えられない場合、新しい運動をしたり、瞑想に取り組んだり、もっと楽しい活動をする時間、予定を組んでください!

*(3)www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4026680/

まとめ

空腹は、体がもっと食べ物を必要としていることを示す自然な合図です。決して悪いことではありません。

しかし「満足できない」状況が続くなら、食べ物の質、選び方、摂取方法、態度、そして社会的なつながりからのストレスがないかを確認してください。

食事は満足できるものです。そうしていくことによって必ず食事は改善されていきますよ!

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AYUMI
米国認定ホリスティックコーチ

NYの栄養学校にてホリスティックヘルスコーチの資格を取得、栄養指導者として女性たちの人生向上をサポート。世界100種類以上の食事理論、ライフスタイル、文化に精通する経験から、個人カウンセリング、企業プログラム、商品企画、など多方面で活躍中。プログラム後は「人生が変わった」「食の悩みがなくなった」「パートナーや周囲との関係が良くなった」との声も。センスあふれるSNSにファンも多い。■スクール「MISS FITホリスティックスクール」■Instagram @ayumi_missfit