毎晩頭を休めているその枕、彼氏や彼女のようにハグして眠っているその枕、基本的に無しでは生きていけない存在のその枕......。抱き締めたくなるような心地よい環境を提供してくれる枕だけど、実は近寄りたくないほど不潔な環境でもあるかもしれない......。これは冗談じゃない。枕カバーを定期的に洗っているとしても、枕は絶対に洗うべき。

あなたが夢の国に出かけている睡眠中に、枕は角質(死んだ皮膚細胞)や汗、ダニ、そのほかの細菌やアレルゲンをあなたから受け取ることで大忙し。そのため、清掃専門会社「Clean My Space 」の清掃専門家であるメリッサ・メーカーによると、枕の重さは寿命がくる間に2倍にまで増えることがある。

ギョッとしたでしょう? すでに枕を投げ捨ててしまった人もいるかもしれない。でも、そんなに恐れないで。今回は、枕を清潔に保つために、いつ、どのように洗うといいのか、知っておくべきことをすべてこの記事で紹介する。アメリカ版ウィメンズヘルスからさっそく読み進めていこう!

まじめな話、どうして枕を洗わなきゃいけないの?

あなたが毎日使っているものと同じように、枕だって汚れる。寝ているだけで、たとえ枕カバーを付けていたとしても、枕はヘア製品やメイク、洗顔料などの残留物、汗、角質、ダニなどを日に日に吸収している。

「体が休息し、回復している夜間には、さまざまなことが起きているのです」と話すのは、高級寝具ブランド「Boll&Branch」の創業者であり、製品開発責任者のミッシー・タネン。「凍ったように、じっと眠っているわけではないんですよ」

寝ている間に枕が吸収している汗やパーソナルケア製品の残留物も、枕が黄ばむ理由をシンプルに説明している。枕に目をやっただけで枕の変色に気付いたなら、前回洗ってからかなりの時間が経過しているということ。

ほかにも、枕を洗うことのメリットはある?

自分の枕を細菌たちと共有するのは気持ちが悪いだけでなく、枕を洗わないことで健康に悪影響を及ぼす可能性もある。例えば、ハウスダストによるアレルギー反応が出やすい人は、暫く枕を洗っていなければ、鼻詰まりなどの症状がひどくなっていることに気付き始めるかもしれない。

「枕は、私たちが毎晩使うものですので、時間が経つにつれ、枕が吸収しているものすべてが、イエダニや細菌が繁殖するのに理想的な環境を作り出します」 と話すのは、毒性のないオーガニックマットレスを製造する「Avocado Green Mattress」社のブランド・コミュニケーション担当副社長、ジェシカ・ハン。「特にアレルギーに悩まされている人にとっては、枕を洗わないことで健康に悪影響を及ぼす恐れがあります」

さらに、枕の詰めもの(枕の中に入っているふわふわとした心地よいもの)に汚れが溜まることで、構造が崩れ、寝ている間に頭と首をしっかりと支えることができなくなることも。定期的に枕を洗うことで、枕の寿命を延ばすことができ、よりよい睡眠をとることができるようになる。

枕はどうやって洗うべき?

leave pillows in the sun to plump it up again
PJjaruwan//Getty Images

ほかの衣類と同様に、枕にも注意事項を記したタグが付いている。タネンはそのタグを確認することから勧めているけれど、最近のほとんどの羽毛枕は、洗濯機に放り込むだけで簡単に洗うことができる。

冷たい水か少しぬるい温度の水を使用し、普段服を洗うときに使用する洗剤の量よりも少なめの量で洗うこと。これにより、枕の繊維内に洗剤が溜まるのを防ぐことができる。

また、攪拌式の洗濯機で洗う場合は、機械のバランスを維持するために、枕を洗うのは一度に2つまでとメーカーは推奨している。

枕は、寝るためだけのものではない。ペットのように、あなたを十分に癒やしてくれるもの。

ちなみに枕の詰めものは、洗剤と水をスポンジのように吸収する。洗剤と水分を可能な限り取り除くために、乾かす前にもう一度、追加で脱水することをメーカーもタネンも勧めている。

枕の正しい乾かし方は?

ほとんどの枕は乾燥機に入れてまったく問題はない(ただし、もう一度、タグを確認してくこと)

メーカーによるプロフェッショナルなアドバイス:2つのテニスボールを靴下で包み、靴下の端を結んでボールを固定したら、それを枕と一緒に乾燥機で走らせる。このテニスボールは、枕に水分が残らないように乾かすのに役立つけれど、完全に乾かすには数サイクル回す必要がある。

その後は、枕を強く絞ってみて、匂いを嗅いでみて、水分や湿気が残っていないかを確かめてみて。

枕はどのくらいの頻度で洗うといいの?

今よりも頻繁に枕を洗い始めるべき。ただし、枕を洗いすぎるとサポートが崩れやすくなるため、少なくとも年に2回は枕を洗って(3回洗っても枕を傷つけることにはならない) 、無菌状態で安眠するようにしよう。

枕を清潔に長く保つためにできることは?

3人の専門家たちは全員、スタンダードな枕カバーに加え、 ファスナー付きの枕プロテクターを使用するように勧めている。このプロテクターは、枕が吸収する厄介な汚れや細菌と枕との間で、バリア機能のような役割を果たしてくれる。

参考までに。枕プロテクターでさえも、あなたを年中無休で守ってくれるわけではないので、定期的に洗う必要がある。そうすれば、タネンいわく、枕プロテクターはずっとあなたの親友でいてくれる。

さらにメーカーは、ベッドメイクをする際に、数秒ほど時間をかけて、枕を手でふわふわに膨らませることを勧めている。これで清潔さが保たれるわけではないけれど、枕の詰めものがきれいに分散し、わずらわしいへこみができるのを防げる。

枕はいつ交換したほうがいい?

枕プロテクターを使用し、年に数回枕を洗っても、いずれは形が崩れてしまうので、新しい枕を購入する時期は必ず来る。

枕との別れを判断するには、「折り畳みテスト」というものをメーカーは提案している。枕を半分に折り、枕が元の位置に戻ってきたなら、まだその枕を使うことができる。そうでない場合は、装飾目的のみで使う枕に指定するのがよさそう。

結論として、「枕を清潔で健康的な状態に保つことは、全体的な健康にとって不可欠です 」と、ハン。「睡眠時の姿勢に関係なく、毎晩何千回も枕に息を吸ったり吐いたりしているので、そこにアレルゲンや化学物質が含まれていないことを確実にすることは、全体的な健康状態を向上するのに役立ちます」

そもそもこれが睡眠の本質のようなもの。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: EMILY BECKER Translation : Yukie Kawabata