寝不足の日はみんなコーヒーや15分の仮眠で乗り切ろうとするけれど、コーヒーを飲んでから仮眠(コーヒーナップ)を取ると、飲まなかったとき以上に力が出るという説がある。でも、カフェインと睡眠は普段から仲がよいとは言えないので、正直ちょっと信じ難い。

ところが、豪シドニー大学の睡眠エキスパート、チン・モイ・チョウ教授によると、この説には一理ある。『The Conversation』に寄せた記事の中でチョウ教授は、カフェインと仮眠を組み合わせることで仮眠の効果が増すことを示した小規模の研究結果に触れている。

「コーヒーナップを取った人は、コーヒーを飲んで仮眠を取らなかった人やコーヒーを飲まずに仮眠を取った人に比べて、2時間の単調な運転シミュレーションで自分のレーンからそれる確率が低かった」

コーヒーナップで活力が増す仕組み

チョウ教授によると、コーヒーのカフェインは胃に少しとどまってから小腸にたどり着く。カフェインは、この小腸で吸収されて体中に送られるけれど、このプロセスには約45分かかるそう。

つまり、15分以下の仮眠の直前にコーヒーを飲んでも、そのカフェインが全身を駆け巡るまでの45分は問題なく眠れるということ。

だから、目覚めたときには気分がスッキリしているし、しばらくすればカフェインも効いてくる。カフェインはコーヒーを飲んでから数時間は血中にとどまる。

「この時間差で現れるカフェインの効力と持続性のおかげで、残りの1日を乗り切れるというわけです」とチョウ教授。

タイミングがすべて

でも、仮眠のタイミングを間違えたら最後、大変なことになる。コーヒーを飲んでから仮眠を取るまでの時間が長すぎると、それこそ眠れなくなって仕事のパフォーマンスも低下する。そして、チョウ教授いわくコーヒーナップの活力増進作用は2~3時間続くけれど、それで普段の寝不足が解消されるわけではない。だから、やっぱり一番いいのは健全な睡眠パターンを確立すること。

※この記事は、『Netdoctor』から翻訳されました。

Text: Natalie Healey Translation: Ai Igamoto