生理の初日、腹痛がピークのときにクールな顔で出社しても、仕事がはかどるわけがない。でも、世の働く女性たちは歯を食いしばり、鎮痛剤を多めに飲んで、この苦しみに耐えてきた。

生理休暇に関する議論は、新聞でもワイドショーでも繰り広げられてきたけれど、西洋諸国の企業は二の足を踏んでばかりで、生理休暇を導入済の国々(日本、韓国、インドネシア、ザンビア)に大きく後れを取っていた。

それがやっと変わりそう。スペイン政府は、5月中旬に承認予定の法整備の一環として、重度の生理痛に苦しむ女性に月3日の生理休暇を付与する見込み。イギリス版ウィメンズヘルスより詳しく見ていこう。

この法案が通った場合、スペインは、欧州で初めて“生理休暇取得の法的権利”を女性に与えた国となり、スペインで働く女性は、生理中にためらうことなく仕事が休めるようになる。

スペイン産科婦人科学会によると、女性の約3分の1は深刻な生理痛(月経困難症)に悩まされている。月経困難症の症状には、激しい頭痛、下痢、発熱などが含まれる。

ジェンダー・イクオリティ担当大臣のアンジェラ・ロドリゲスは、スペインの新聞紙『エル・ペリオディコ』に対して、この法案の裏にある考えを語った。

「“何が”深刻な生理痛かを明確にすることが大切です。私たちが法案の対象としているのは、ちょっとした不快感ではなく、下痢、激しい頭痛、発熱といった深刻な症状です」

今回の法整備には、女性の健康に関する革新的な法案も含まれている。例えば、生理用ナプキンおよびタンポンの付加価値税(VAT)の排除(イギリスでも俗に言う“タンポン税”が撤廃された)。これらの生理用品は、いま現在、社会から取り残された女性にのみ無料で提供されている。

スペイン政府は、中絶のアクセシビリティを高める計画も立てており、法案によると、16~17歳の女性は親の許可なく、公立の病院で中絶手術が受けられるようになる。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Roisin Dervish-O'kane Translation: Ai Igamoto