「現代人の生涯の生理回数は100年前と比べて約9倍に増えました」そう語るのは現役産婦人科医であり、人気YouTuberでもあるママ女医ちえこ氏だ。

1900年代は50〜100回だった生理が、2000年代には450〜500回となった。“生理痛は現代の病”と称されるように、生理回数が増え、子宮の負担が大きくなっていることから、生理の「重い・痛い・多い」に悩まされている人が増えている。

毎月の生理のたび、苦しい思いをしているのをただ我慢している。みなさんのなかにもいないだろうか? 一方で、この状況を改善しようと、医学は日進月歩でアップデートされ続けている。

生理を助けるアイテムも続々と登場しているので、それらをうまく使いこなしてほしい。「生理を快適・ラクにする」視点から、最新医学の常識と、最新アイテムをご紹介しよう。

痛みがあるときこそ軽い運動
woman experiencing abdominal pain, mid section
PhotoAlto/Odilon Dimier//Getty Images

生理痛がひどいとき、ついつい屋内に引きこもってはいないだろうか。痛みがあるときこそ軽い運動を行おう。引きこもってばかりいると、筋肉が凝り固まる。経血をスムーズに外に出すためには、ある程度筋肉をほぐし、子宮の収縮を促すことが必要だ。

運動をすることで全身の血行がよくなり、滞っていた血行が改善されることから、スムーズな経血排出の促しと、生理痛の緩和につながる。

運動といっても、突然激しい運動をする必要はない。軽いランニングやウォーキング程度でも十分だ。通勤時は1つ手前の駅から歩いてみる、昼休みにいつもは行かないちょっと離れたお店まで歩いてみるといった手軽なことから取り入れてみよう。

ファッションで骨盤周りを締め付けない

実はファッションも生理痛の重さを左右する要素のひとつだ。ガードルやスキニーパンツといった骨盤周りを締め付けるアイテムは要注意。血行を悪くし、重い生理痛の原因となる。また、スキニーパンツや厚手のタイツなどを着用していると、どうしてもデリケートゾーンに湿気がこもってしまう。

ムレた状態で放っておくと、イヤなニオイの原因になったり、かぶれやお尻ニキビなどの肌トラブルの原因にもなる。生理中のおすすめはゆったりしたワイドパンツやふんわりスカート。ショーツもシルク、綿やウールなどの肌に優しい天然素材を意識して選ぶと、生理期間を快適に過ごせるだろう。

鎮痛剤はためらわずに飲む
pills in blister pack
Peter Dazeley//Getty Images

「鎮痛剤に頼りすぎるとクセになったり、効きづらくなったりする」という話がある。これは真っ赤なウソだ。生理中は痛みの原因となる「プロスタグランジン」という物質が子宮内膜から分泌される。この物質は子宮や血管の収縮を促すといった、経血を外に押し出すために必要な物質である一方、分泌量が多いと重い生理痛の原因となる。

鎮痛剤はこの「プロスタグランジン」の分泌量を抑えるものなので、飲むときは痛みが強くなってしまう前に早めに服用するのがおすすめだ。痛みのピークまで耐えてから服用すると、効果を実感しにくくなってしまう。痛みを感じ始めたらすぐに服用しよう。

膣内洗浄で生理を早く終わらせよう

金石衛材 株式会社 プチシャワー・セペ 使いきりビデ 6回分 (120ml×6本入) ×10個セット

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生理の終わりかけの頃。少量の血液が付着するのがダラダラと長引くことがあるだろう。これは子宮から出てきた経血が膣内に残っていて、それが徐々に膣外に出ている状態だ。このときに使い捨てビデを使用して膣内洗浄をすることで、膣内に残っている経血を洗い出し、早く生理を終わらせることができる。

一方、タイミングには注意したい。生理が始まってすぐの頃は、子宮内から経血が流れ出ている状態。使用しても意味がないばかりか、膣内の雑菌を子宮内に押し込んでしまうリスクもある。膣内洗浄は生理の終わりかけに限って活用しよう。

吸水ショーツを使いこなす

吸水ショーツとは、吸水性や防水性を備えた布を何層にも重ねて1枚のパンツにしたもの。吸水ショーツのメリットは、まさに普段のショーツのような感覚で使用できることだ。そのまま履くだけでしっかり吸水されるので、ムレやかぶれも起こりにくい。

特にそろそろ生理が来そう……というときに予定より早くから吸水ショーツを履いておくと、安心して生理を迎えることができる。吸水ショーツは形や種類によって吸水量も様々。おりものの多い日に使いたいのか生理時に月経カップと併用して使用したいのか、用途によってチョイスしよう。

Sport0 Mood
ピリオド Sport0 Mood
¥6,050

究極の履き心地を追求したピリオドの「スポーツゼロ」とウィメンズヘルスがコラボ。とにかくフィット感が◎。最大20mlの吸水が可能。どんな人にも合う、SからXLサイズまでの4サイズの展開。

ボクサー
ムーンパンツ ボクサー
¥7,150

「ムーンパンツ」は薄くて、サラサラした素材が特徴。15~20mlの水分を吸収するボクサータイプの吸水ショーツ。動いてもずれにくいから、フィットネス時にもおすすめ。

Tバック(タンガ)タイプ
コンフィッツ Tバック(タンガ)タイプ
¥2,090

タンガタイプの吸水ショーツ。吸水量は少ないけれど、下着をファッションに響かせたくないときにGOOD。おりものが気になる日や生理の終わりかけに。

OLTER SHORTS レースタイプ
オルタナチュラル OLTER SHORTS レースタイプ
¥4,840

しっかり吸水する5層構造で最大吸水量は40ml、抗菌防臭素材でニオイを抑制。サンドピンクのカラーとレースのデザインがフェミニンな印象。

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<目次>
Part1 生理痛 暴れん坊の子宮を手懐けよう
Part2 女性ホルモン編 元気な子宮をつくろう
Part3 セックス編 子宮を守って楽しもう

Hikari Inagaki(side dishes)