ソーシャルメディア上で人気に火がついたウェルネス・チャレンジ「Dry January」は、1年の最初の1カ月間、禁酒を徹底するというもの。アルコールとの関係を見直すきっかけになる人もいるし、ホリデーシーズンで疲れた体(とお財布)を休ませるチャンスとする人もいる。どのような理由であれ、たった1ヶ月でも飲酒を控えることで得られる健康上のメリットはいくつかあり、更には女性にとってアルコールを控えることは真面目に重要かもしれない。その理由は?

Dry Januaryとは?

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Rosemary Calvert//Getty Images

クリスマスや忘年会、送別会など、何かとお酒を飲むシーンが増える12月を反省し、自発的にアルコールから離れ、よりクリアで、よりリフレッシュした健康的な新年を迎えるというDry January。

このチャレンジは、2012年、英国の慈善団体Alcohol Change UKによる「31日間アルコールを断つことで、二日酔いをなくし、ウエストラインを細くし、お金を節約しよう」という取り組みとして始まった。

飲みすぎて後悔することがなくなり、理想の体形に近づき、またお金が貯まるのであれば、そんなに嬉しいことはないはず。更には、説得力のある健康上の理由もある。特に女性は注目した方がいいかも。

過度の飲酒は女性の健康にリスクがある?!

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bymuratdeniz//Getty Images

アルコールが女性に与える影響は男性とは異なるって知っていた?

米国疾病予防管理センターによると、体の構造や化学的な生物学的な違いから、ほとんどの女性はアルコールをより多く吸収し、代謝に時間がかかるんだとか。同じ量のアルコールを飲んだ後でも、女性は男性よりも血中アルコール濃度が高くなる傾向があり、アルコールの即効性は通常、男性よりも女性の方が早く現れ、長く続く。このような違いから、女性は男性と比べてアルコールの長期的な健康への悪影響を受けやすいという。

具体的には、以下のようなことが懸念されている。

・肝疾患: 肝硬変やその他のアルコール関連肝疾患のリスクは、男性よりも女性の方が高い

・脳への影響: アルコールに関連した認知機能の低下や脳の縮小は、男性よりも女性の方が早く進行する

・心臓への影響:過度の飲酒をする女性は、男性よりも低い飲酒量と少ない飲酒年数で、心筋へのダメージのリスクが高まる

・癌:アルコールの摂取は、乳がん、その他に、口、のど、食道、肝臓、結腸のがんのリスクを高める

もちろん、影響は人種によって異なることはあるかもしれないけれど、WHO(世界保健機関)は、「私たちの健康に安全なアルコール摂取量はない」と警告しており、禁酒は健康的な選択肢だということは、間違いではなさそう。

Dry Januaryを乗り切るヒント

female friends enjoy a cocktail in an al fresco dining experience
Catherine Falls Commercial//Getty Images

アルコールを家の中から締め出す

家にアルコールがあれば、外に出て調達しなければならない場合よりも、Dry Januaryに失敗してしまう可能性が高まってしまうかも。冷蔵庫を開けて缶ビールやワインの瓶があったりするたびに、苦しめられてしまう。日常的に目につかない場所にアルコール飲料を隠すか、友人に1ヶ月間預けるか、あるいはアルコールを完全に処分することを検討してみて。

仲間を増やしてモチベーションアップ

禁酒を続けられる可能性を高めるために、身近な人をDry Januaryに巻き込んでみて。そうすることで、アルコールを伴わないアクティビティを一緒に計画でき、また発散したいときにはお互いに頼ることもできちゃう。

気分を高める別のアクティビティにトライ

不健康な習慣をなくす最善の方法のひとつは、より健康的な習慣に置き換えること。例えば、5時にワインを一杯飲むのが習慣になっているのなら、その代わりにワークアウトや瞑想、新しいプロジェクト、料理など新しい趣味や勉強などに置き換えてみて。

ログブックをつける

Dry Januaryの進捗状況を記録することも役に立つ。体調、睡眠時間、肌の状態、貯蓄額など、簡単なことを記録してみて。2月1日と12月31日を比較すると、少なくとも1つのカテゴリーで明らかな違いがみられるかも。

ノンアルドリンクで喉の渇きを癒やす

Dry Januaryは、ノンアルコール飲料を探求するのに最適な時期。友人とハッピーアワーで楽しむことができる上、更に嬉しいのは、翌日に二日酔いにならないことだ。

今や、飲料メーカー各社からも、ジントニックやスクリュードライバーといった定番カクテルのノンアル缶が次々と登場していて、手軽に買える。ただし、日本では1%未満のアルコール度数であれば「ノンアルコール」と表示できるため「アルコール0.00%」と記載されているものを選ぶようにするのをお忘れなく。

またノンアルドリンクを手作りしてみるのもおすすめ。意外と簡単に作れちゃうので、ぜひトライしてみて。

・ミルクセーキ

ミルク(100ml)、卵黄(1個)、砂糖(小さじ2)をブレンダーで混ぜてグラスに注いで完成。香りづけにナツメグやシナモンをいれるとGood。ブランデーやラムを入れると、エッグノックになる。

・ヴァージンモヒート

グラスにミント(適量)とはちみつ(小さじ2)を入れてマドラーなどですり潰す。ライムを絞って加え、氷を入れて、炭酸水(100ml)を注げば完成

・シンデレラ

パイナップルジュース(80ml)、オレンジジュース(80ml)、レモン汁(20ml)をシェイクすれば完成

どう? 簡単だと思わない? その他にも、フレーバーシロップ(有名なのは「MONIN」)を炭酸水などお好みのドリンクで割るのもおすすめ。カットフルーツをプラスすれば更に気分もあがるはず。色々作っている間に、ノンアルコールで満足できるようになっているかも。2024年は、ぜひシラフな1カ月でスタートを切ってみてはいかが?

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桑子 麻衣子
ライター

1986年横浜生まれ。2013年よりシンガポール在住。幼少期よりクラシックバレエの練習に励みバレリーナになることを目指していたが、思春期に恋愛に走ってしまう。ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーの経験を活かし、現在は国内外のウェルネスやフィットネスなど健康周りの情報を中心に発信するライターとして活動。根っからの健康オタク。
Instagram: @mic_kwk