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ニューウェルネストレンドが日本も席巻?!脱アルコールの『ソバーキュリアス』に注目

欧米で広がりを見せる、お酒を飲まないのがカッコいいという価値観、「ソバーキュリアス」って?

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young woman sitting in restaurant
Dasha Petrenko / EyeEm//Getty Images

「あーまた飲みすぎちゃった。」なんて二日酔いになって後悔したことはない? ワインを飲んだ次の日、朝の目覚めの悪さや漠然とした頭痛にうんざりしていない? アルコールが自分の気分に与える影響に疑問を感じはじめていない?

お酒をやめることがあなたの人生に良い影響を与えるのではないかと考え始めているのは、あなただけではないかも。

今、自分の人生においてアルコールが果たす役割を見つめ直す人が欧米で増えている。その名も『ソバーキュリアス(Sober Curious)』

最近、お酒の量が増えた人、酒断ちしたい人、健康になりたいという人はぜひ参考にしてみて。

『ソバーキュリアス』とは?

happy smiling people holding glasses drink wine on the beach at sunset
Elizaveta Starkova / EyeEm//Getty Images

今欧米では、お酒を飲まない、もしくはたまに飲むがかなり気を配っているというが人が急増中。そんな人たちのことを『ソバーキュリアス』と呼ぶ。

「シラフ・酔っていない」という意味を持つsoberと「好奇心旺盛な」という意味のcuriousを合わせた言葉であるソバーキュリアスは、直訳すると「シラフでいることに好奇心旺盛な」という意味になる。

一見すると、ソバーキュリアスとは“お酒を飲まない人”、“絶対禁酒主義の人”を連想するかもしれない。

けれど、どうやらそうではないようだ。

ソバーキュリアスは明確には定義されておらず、人によって考え方が異なる。中には、絶対禁酒主義に好奇心を持つことを意味すると考える人もいれば、マインドフル・ドリンキングとして飲酒する理由を意識し、アルコールとの関係をよりポジティブに変化させることに近いと考える人もいる。中には長期的な休肝日として考えている人も。

つまり、ソバーキュリアスとは、断酒、長期間の禁酒、あるいは、自分とアルコールとの関係をよりよく理解するための時間として行うものとして捉えると分かりやすいかもしれない。

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若い世代を中心に広がるソバーキュリアス

group portrait of confident millennials
We Are//Getty Images

イギリスの国家統計局のデータによると、2005年以降、全体のアルコール消費量、飲酒を報告する人の割合、飲酒者が報告する量のすべてが減少していることが分かっている。

また、Drinks Retailing News 2019 Mindful Drinking Guideの調査によると、2019年、イギリスのノンアルコール・ローアルコールのカテゴリーは2240万ポンド(2910万ドル)の伸びを記録したことが分かっている。

こうした消費者の“酒離れ”を後押ししているのが、ミレニアル世代だといわれている。

イギリスのTotal Jobs社が実施したイギリスの労働者2,400人を対象とした2019年9月の調査によると、ミレニアル世代の56%が自分をマインドフル・ドリンカーであると考えていることが分かった。

ミレニアル世代は、前の世代がやっていたことを疑問に思うことが多い世代。「過剰な飲酒をするのはなぜ?」「飲酒がわたしたちに与える影響は?」「二日酔いすることはわたしたちにメリットがある?」といったように。

また、生活のあらゆる分野で意識を高めたいと考えていることも関連している。わたしたちの社会、特にミレニアル世代は、サステナブルなファッションを選んだり、ヴィーガンのライフスタイルを取り入れたりと、自分の選択に意識的になっている傾向にある。

つまり、“健康と心の豊かさ”を追求した結果としてのソバーキュリアスの道を選んでいる人が多いというわけだ。

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飲まないチョイスを快適にしてくれるノンアルコール飲料が急増中

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「お酒は飲まないけれど、友達とちょっと弾けたい。」そんなソバーキュリアスのために、欧米のバーやレストランでも、お酒を飲まない人たちへの対応が進んでいる。

多くのバーやレストランでは、低アルコールのカクテルはもちろんのこと、ノンアルコールのメニューを用意。飲まないチョイスを快適にできるようにと、おしゃれなモクテルなどを提供するお店は軒並み急増中だ。

また、飲料メーカーでも、ノンアル事業に力をいれている。

調査によるとノンアルコール飲料の世界市場規模は、2020年には9,275USドルとなり、2026年には約1兆2,800億USドルに達すると予測されている。

飲まないからといって、楽しくないわけではない。むしろ、飲まなくなったことで得られることが多いと感じる人は増え続けている。

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日本でもじわじわときているソバーキュリアスの波

alcohol free sign
AlexeyBlogoodf//Getty Images

一方、日本でもノンアルコールのビールや酎ハイ風の飲料の人気は拡大傾向にある。

日本で初めてノンアルコールビールを開発したキリンが実施した2020年の推計によると、0.00%のノンアルコールビールが誕生した2009年と比較すると、ビール類の出荷数量は72%に減少したのに対して、ノンアルコールビールは4倍以上に増加。

発売当初は、飲酒運転を撲滅するための飲料として認知されていたノンアルコール飲料ではあったが、味はもちろん健康面での配慮も進化している。今やアルコールの代替としてだけでなく、健康を気遣いたいときなどに積極的に選ばれるようになってきた。

また、都心では欧米同様にノンアルコールカクテルがメインのバーもちらほらでてきた。 『0% Non-Alcohol Experience』ではノンアルコールの白ワイン、日本酒などが提供されており、海外からも注目されているバーのひとつだ。

以前からコミュニケーションのひとつとしても使用されることが多かったお酒を飲む機会。しかし、ここ最近はそういった場面も前ほど多くはなくなってきている。多くの企業ではテレワークの働き方が続き、仕事後の「ちょっと1杯」というやり取りは激減。お酒を飲む量が以前に比べて減ったという人も少なくないはず。

一方で、逆に酒量がアップしたことに不安を抱える人が増えているというニュースもある。

ソバーキュリアスが日本でも浸透する日はそう遠くないかもしれない。

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桑子 麻衣子
ライター

1986年横浜生まれ。2013年よりシンガポール在住。幼少期よりクラシックバレエの練習に励みバレリーナになることを目指していたが、思春期に恋愛に走ってしまう。ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーの経験を活かし、現在は国内外のウェルネスやフィットネスなど健康周りの情報を中心に発信するライターとして活動。根っからの健康オタク。
Instagram: @mic_kwk 

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