ミリタリースリープメソッドとは？
ミリタリースリープメソッドは、米軍兵士のために特別に考案された睡眠法で、なんとわずか2分で眠りにつくことができると言われているんだとか。文字通り、戦場のような激しい環境でも効果を発揮するように調整されている。ここ最近ソーシャルメディアのフィードで注目されるようになった睡眠法で、ヘルスコンシャスな人や睡眠の質を良くしたいという人を中心にトライしていることが多い模様。
このメソッドを開発したのは、オリンピックのスプリントコーチで、スポーツ心理学も研究していたバド・ウィンター氏。彼の著書『Relax and Win： チャンピョンシップ・パフォーマンス』という著書によると、パイロットが大声で騒いだり、ストレスがかかったり、危険な状況にもかかわらず、休息が必要なときに即座に眠りに落ちることができるよう、アメリカ海軍の飛行前学校用に開発したテクニックがミリタリースリープメソッドだと言う。
ミリタリースリープメソッドのやり方
- 深呼吸: 目を閉じて深呼吸に集中する。
- 顔の力を抜く: 額から頬、口、あごにかけて、顔の筋肉をゆっくりとほぐしていく。一度に1つの部位に集中し、深く呼吸して、そこにたまっている筋肉の緊張を解き放つようにしよう。舌と目の周りの筋肉をリラックスさせることも忘れずに。
- 肩と腕の力を抜く: 顔の力を抜いたら、首、肩、腕へと力を抜いていく。まず、首の力を抜き、そこにたまった緊張を手放す。続いて、肩を落とすようにして、ベッドに体を沈める。片方の腕に意識を集中し、上腕二頭筋、前腕、手、指の力を抜きながら、ゆっくりと下へ向かっていく。もう片方の腕も同様に。
- 上から下に向かって力を抜いていく: ゆっくりと体の他の部分に意識を移して、力を抜いていこう。胸、腹部、骨盤の順に力を抜いていく。次に片足に集中し、太もも、ひざ、ふくらはぎ、足首、足裏、つま先まで意識を向けて力を抜く。もう片方の足も同様に行う。
- 心をクリアに: 頭のてっぺんからつま先まで意識的に体のあらゆる部分をリラックスさせたら、心をクリアにすることに集中。心を落ち着かせるイメージを描いてみて。例えば、青空の下、草原に横たわっている自分を思い浮かべてみたり。あるいは、暗い部屋でハンモックに寝ているところを想像してみるのもいいかも。イメージしてもうまくいかない場合は、「何も考えるな」という言葉を心の中で10秒間繰り返し唱える。他の考えに気を取られたら、それを脇に置き、ビジュアライゼーションや暗唱に意識を戻すようにしてみて。
本当に効果はあるの？
今のところ、ミリタリースリープメソッドに特化した研究は実施されていないため、確かなことを証明するのは難しい。一方で、逸話的には多くの人がその効果を証明しているから気になる人はチェックしてみて。また、ミリタリースリープメソッドで採用されているいくつかのテクニックは、リラクゼーション効果や睡眠の質を高めることが分かっているため、睡眠に良い効果をもたらすのではないだろうか。
深呼吸
ミリタリースリープメソッドの最初のステップで行われる深呼吸には、睡眠を促進することが証明されている。2018年の研究によると、深呼吸は体をリラックスさせ、神経系を落ち着かせ、心拍数を遅くする。すると、メラトニン（眠気を感じるために体内で分泌される天然ホルモン）の分泌が促進される。よって、より早く眠りにつくことを助けると結論付けられている。
漸進的筋弛緩法
漸進的筋弛緩法とは、下から上または上から下のいずれかのアプローチをとって、筋肉の力を一つずつ抜いていき、リラックスを促すリラクゼーションテクニック。ミリタリースリープメソッドでもこのテクニックのバリエーションを用いている。2020年の研究によると、漸進的筋弛緩法は不眠症対策に役立ち、また夜中に眠れなくなったり、入眠を妨げたりする不安や抑うつ的な思考を減らす効果もあるという。
ビジュアライゼーション
ビジュアライゼーションもリラクゼーションのテクニックのひとつで、心を落ち着かせるイメージに集中することで、同じようなリラクゼーションの感覚を身体にもたらすもの。ミリタリースリープメソッドでも、気が散る雑念を取り除くために、このテクニックが用いられている。研究によると、ビジュアライゼーションを使うことで、不要な思考による苦痛を軽減し、より早く眠りにつくことができることが分かっている。
どう？試してみたいと思った？ソーシャルメディア上でミリタリースリープメソッド推しの人によると、このメソッドを6週間続けて練習すれば、2分以内に眠りにつくことができるようになるんだとか。入眠に苦労している人はミリタリースリープメソッドを試してみる価値があるかも。特に何か必要なものがあるわけでもないので、しのごの言う前に、まずは試してみてはいかが？
