睡眠の重要性は周知の事実。ツヤのある肌で元気に明るく毎日を生きるためには、質の高い睡眠が欠かせない。でも、新たな2件のマウス実験により、睡眠は健全かつ持続的に体重を減らす上でも重要であることが分かった。イギリス版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

概日リズムの乱れが脂肪細胞の成長において重要な役割を果たすことを示した論文によると、栄養価満点の食事と効果的なワークアウトをしていても、睡眠の質が低ければ意味がない。

概日リズムは「サーガディアンリズム」「体内時計」と呼ばれ、24時間の自然な周期で、私たちの睡眠・覚醒パターンをコントロールしている。そして、この概日リズムが適切に刻まれるのは、心血管系や脳を含め、ありとあらゆる身体機能の健康を維持する上で非常に重要。

また、今回のマウス実験で証明されたように、概日リズムは体重管理の一翼も担っている。1件目の実験では、概日リズムが乱れると、脂肪細胞の成長とインスリンの産生が加速することが分かった。つまり、このリズムが乱れると、健康的な食生活を送っていても代謝が変わって体重が増えるということ。

2件目の実験では、マウスの睡眠中に脂肪前駆細胞が脂肪細胞に姿を変えた。「たった4時間で急速に変化しました。まるで電気のスイッチです」と説明するのは、この2件の論文の上席著者で生化学助教授のメアリー・テルエル博士。しかも「これは特定の時間帯でしか起こりません」

いずれの実験結果も、ストレスや他の要因で概日リズムが乱れれば、体重が増えてもおかしくないことを示している。「概日リズムが乱れると、正常な代謝に逆らう力が大きくなります」とテルエル博士。「私たちの理解が進めば進むほど、この問題に対処できる可能性は高くなります」。テルエル博士のチームは現在、肥満の人の概日リズムを薬でリセットする可能性を探っている。

もちろん、寝不足で体重が増える理由は他にもある。まず、寝不足になると、食欲を抑制するホルモンのレプチンの量が減り、食欲を増進させるホルモンのグレリンの量が増えてしまう。また、睡眠時間が足りないときは体に悪い食べ物を選びやすく、高カロリーのオプションが一層魅力的に思えることも証明されている。

イギリスの睡眠支援慈善団体The Sleep Charityによると、大人は1日8時間程度の睡眠を確保するべき。そのためには、眠りを促す夜のルーティンを築くことが大切。毎日同じ時間にベッドに入り、ベッドタイムが近づいたら電子機器(スマホ、パソコン、テレビ)の使用を避けて。快眠のためなら、首や背中を朝までサポートしてくれる高品質の枕やマットレスに投資するのも悪くない。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Lauren Clark Translation: Ai Igamoto

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Lauren Clark

Lauren is a lifestyle journalist with digital and magazine experience. Find her covering all aspects of wellness - from fitness, nutrition and mental health, to beauty and travel. Morning HIIT, a lunchtime oat latte and evenings ensconced in a hyaluronic acid-infused sheet mask are her own personal feel-good pillars.

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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。