運動をせずに痩せることはできるのか? そもそも、運動は心にも体にも多様なメリットがある。運動はさまざまな病気のリスクを減らし、うつ病や不安症などのメンタルヘルス問題の発症率を下げるだけでなく、エネルギーを高め、睡眠を促すなども期待できる。さらに、筋肉をつけ維持することにも効果的。運動=健康であることを意識し、毎日体を動かすことが望ましい。

しかし、体重を減らすには何を食べるかが重要。

研究では、運動には頼らない減量法について数多く示されているという(運動と食事法の両方を取り入れるとさらに効果的)。『The Little Book of Game Changers(原題)』の著者である登録栄養士のジェシカ・コーディングさんは次のように述べている。「運動は生活の中で思いがけず取り入れることができるものですが、食事は偶然うまくいくことはありません」。食事について「何を食べるか」に意識を向けることが、健康には大いに役に立つのだ。

だからこそチェックしておきたい、体重を減らすためにできる16のことは以下の通り。

1. 食事量をコントロール

    自宅での食事では、お皿やボウルは小さめを選んでみよう。摂取カロリーが少なくなるうえに、脳を騙して実際よりも多く食べているように感じることができる。バランスの取れた食事の目安:炭水化物は握りこぶし1つ分(1カップ)、赤身肉やタンパク質は手のひら程の大きさ(4オンス/約113g)、ナッツやアボカドなどのヘルシーな脂質は大さじ2杯程が理想。そこに彩り豊かな野菜をたっぷりと加えてプレートを埋めてみて。

    外食の場合は量のコントロールが難しくなるため、食事に行く前に対策を考えておくことが大切。例えば、「前菜+メインディッシュ」の代わりに「前菜+小サラダ」を注文する、友人と料理をシェアする、(可能であれば)テイクアウト用の箱を貰って半分は持ち帰る、など。計画や意図を明確にしておくことで、より意識することができるはず。

    2. 食物繊維を積極的に摂取

    「食物繊維はさまざまな方法で減量を助けてくれます」と述べるのは、『Healing Superfoods for Anti-Aging: Stay Younger, Live Longer(原題)』の著者である登録栄養士のカレン・アンセルさん。「まず、腸の中でスポンジのように膨らむため、天然の食欲抑制剤になります。さらに、最新の研究では満腹感を脳に伝えるホルモンの生成を助ける善玉菌に良い影響を与えることがわかっています。全粒粉、豆類、果物、野菜など、さまざまな食品から1日25g以上を目安に摂取しましょう」

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    3. タンパク質をしっかり

    「食物繊維と同様に、タンパク質は満腹ホルモンの生成に影響を与えてくれるため、自然に満腹感を得ることができるのです」とアンセルさんは説明する。「タンパク質は消化に時間がかかるので、タンパク質をたくさん摂った後にスナックをあさるようなことはあまりないと思います。また、タンパク質は脂質や炭水化物に比べて消化にかかるエネルギーが大きいため、あまりカロリーを溜め込みません。魚、鶏肉、七面鳥、卵、低脂肪乳製品などから、1食当たり20gを目安に摂取できると効果的でしょう」

    4. 脂質もたっぷり摂る

    「2023年になっても、脂質に怯える人が大勢います」とコーディングさん。脂質は満腹感を長持ちさせ、血糖値が下がって空腹感を感じるのを防ぐことができる、と彼女は指摘する。コーディングさんが推奨するのは、オリーブオイル、アボカド、ナッツ、シード、魚など、ヘルシーな脂質を食事に取り入れること。「脂質の摂取を意識し始めると、効果を実感できるでしょう」と彼女は続ける。『米国人のための食生活指針』によると、脂質は1日の総カロリーの20〜35%を占めるのが望ましいという。

    5. 炭水化物はバランスを考えて

    炭水化物は悪魔の食べ物ではないが、コーディングさん曰く、満腹感を長持ちさせるためにはタンパク質と脂質でバランスをとることが重要だという(その結果、無意識の間食を抑えられる)。例えば、全粒粉のトーストに卵やアボカドをトッピングしたり、クラッカーにナチュラルピーナッツバターを塗ったり、という具合に。『米国人のための食生活指針』では、炭水化物は1日の総カロリーの45〜65%程度占めることが推奨されている。

    6. 十分な睡眠を

    睡眠不足が体重増加につながるということはよく知られた話だが、それはホルモンに起因する。睡眠不足の人は食欲増進ホルモンのグレリンが多く分泌されると同時に、食欲をコントロールするホルモンのレプチンの分泌が減ってしまうため。また、睡眠不足の人はより多くのカロリーを摂取しがちで、より多くの炭水化物を食べてしまう傾向にあるというエビデンスもある。そして、疲れているときは衝動を抑えることが難しくなって当たり前なのだ。

    7. とにかく水分補給

    お腹が空いたと思っていたけど、実は喉が渇いていた……なんてことがあるかもしれない。そんなことを回避するためにも、食事の間や間食の前に大きなグラス1杯の水を飲んでみて。食事の前に飲むとさらに良し。大幅な体重減少につながることが、ある研究で明らかになっている。水筒を持ち歩いて小まめな水分補給を心がけよう。

    8. 糖類をカット

    「糖類そのものが太りやすいかどうかは定かではありません」とアンセルさん。「しかし、一つ確かなことは、カロリーが高すぎる食品を口にしている可能性があるということです。減量を目指すのであれば、炭酸飲料、甘くしたラテ、デザートなどは真っ先に避けるべきでしょう」。また、ケチャップやパン、サラダドレッシングなど、あらゆるものに砂糖が加えられていることを忘れないように。

    9. 飲み物でカロリーをとらない

    全体的に摂取カロリーを減らすための簡単な方法だが、このルールを守るべき重要な理由はもう1つある。食べるよりも飲んでカロリーを得る方が、満足度が低く、満腹感も得られないという研究結果が出ているのだ。言い換えれば、カロリーの高い飲み物、特に糖分の多い飲み物を飲むことが、太りやすくなる原因の1つということ。

    10. 食事に集中する

    つまり、ゆっくり食事を堪能することがポイント。脳は口の動きをキャッチし、それに合わせて満腹の信号を出すが、食事のスピードが速いとそれが難しくしてしまうという。また、気が散ると食べる量が増える傾向にあることも研究で明らかになっている。よって、食事の時は、携帯電話を離し、テレビを消し、食べているものにフォーカスすべし。

    11. 食品は目につかない場所へ

    ある研究によると、肥満の人は食べ物を“目につきやすい場所”に置いておく傾向にあることが判明。反対に、特に食欲をそそらないものを置いておけばいいので、目線の先にはリンゴの入ったボウルを置いておくといいかも?

    12. ダイエット飲料を控える

    最近の研究で、ダイエット飲料を飲む子供や10代の若者は、日中により多くのカロリーを摂取していることがわかった。これは、ダイエット飲料と体重増加を関連づけるいくつかの研究のうちの1つの結論に過ぎない。結局のところ、水は素晴らしい、ということ。茶漉し付きの二重構造のボトルに果物を入れてフルーツウォーターを作るのも1つのアイディア。

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    13. ひと呼吸置くことを忘れない

    ストレスを感じると、コルチゾールというホルモンが増加する(闘争・逃走反応)。また、いくつかの研究では「高コルチゾール反応タイプ」(ストレスで冷静さを失いがち)の人は、より多く食べる傾向にあることが示されている。ついつい食べ過ぎてしまう、そんなことを防ぐためにも、瞑想や運動、もしくは読書など、ストレスを下げるための時間を取ってみて。

    14. 食べたものは書いて確認

    「研究によると、食べたものを書き留めることは最も効果的な減量方法の1つであることが明らかになっています」とアンセルさん。「日記や携帯のメモ、お気に入りのダイエットアプリなど、食べたものを記録することは、あなたの食生活の中から些細なヒントを見つける唯一最善の方法です」

    15. 頑張らないことも大切

    『The Small Change Diet(原題)』の著者で登録栄養士のケリー・ガンズさんによると、健康的な食事について多くの人は「100%できなければ駄目」という考え方に陥りがちだという。「一日でも“悪い”食事をしたからといってすぐにあきらめてしまうのではなく、一度力を抜くのです」とガンズさん。健康的な食事という全体的な目標に集中し、小さなことでストレスを感じないように、というのが彼女からのアドバイス。

    16. 長期的な食事計画を立てる

    ガンズさんは、減量を現在と未来のより健康的な食生活のための方法として捉えることの重要性を主張する。そのため、食事計画はオンオフを繰り返すものではなく、ライフスタイルを変化させるべきだという。また、好きな食べ物を取り入れることで、食事計画に窮屈さを感じないようにすることもポイント。

    ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

    Translation: Ai Ono From Prevention

    Headshot of Lisa Bain
    Lisa Bain
    Executive Director

    Lisa is a writer and editor who specializes in producing investigative health reports and other stories that help people live their healthiest possible lives. She has won many editing awards, including the National Magazine Award. She is the former executive director of the Hearst Health Newsroom, a team that produces health and wellness content for Good Housekeeping, Prevention and Woman’s Day, and has also served on the staffs of Women’s Health, The Good Life, Parenting, Esquire and Glamour.