自然の植物の力で体や心の不調を整える「植物療法」って知っている? 今回は、植物療法が注目されている理由や取り入れ方などをご紹介。エディターNANAが植物療法のスクールに通って学んだことについても併せてチェックして。

フィトテラピー(植物療法)とは?

「フィトテラピー」は、ギリシャ語の「Phyto(植物)」と「Therapy(治療、療法)」を組み合わせた言葉で、日本語でいうと「植物療法」。これは植物の力を利用して、私たちが本来もっている自然治癒力に働きかけ、病気の予防・ケアをするもの。世界各地に根づいている薬草療法、アロマテラピー、フラワーエッセンス、日本では漢方、おばあちゃんの知恵と呼ばれているものも「フィトテラピー」の一部である。

なぜ今、植物療法が注目されているの?

今植物療法が注目されている背景には、技術や医療の発達にもかかわらず、多くの人が病気や不調に悩まされ、次々に新しい病気が発見されているという現実がある。
その理由はたくさんあるけれど、大きな要因と考えられるのが、自然に逆らった生活習慣や食べ物、ストレス、環境汚染。
現在のような科学技術が生まれるまでは、人間は自然界の植物の力を活用して病気の治療などを行ってきた。
外敵要因によって人間が本来もっている「生物」としての力が弱っている今、刻々と変化する自分の体を知り、植物の力を使いながらセルフケアしていくという、昔ながらの植物療法が見直されている。

植物療法の取り入れ方

植物の力の取り入れ方には大きく分けて3つ。ひとつは「飲む(直接口から摂取する)」こと。ハーブをお茶にして飲む、ハーブティー(ティザンヌ)が代表的。そのほか、チンキ(ハーブをアルコールなどに浸けてエッセンスを取り出したもの)やオイルカプセル、ハーブサプリメントなどで手軽に取り入れる方法も。また、毎日の食事で、食べ物からも植物の力を取り入れているといえる。

ふたつめが「香る(鼻の粘膜や呼吸から成分を取り入れる)」方法。アロマポットやディフューザーといった専用の道具を使ってもOK、精油をティッシュなどにたらすだけ、ルームスプレーなどでも、香りを利用することができる。

そして、「塗る(皮膚から取り入れる)」方法。精油を植物オイルに混ぜたマッサージオイルを塗るほか、アロマバスに入るなどの方法がある。肌からだけでなく、呼吸によって香りも取り入れる方法として有効。自分の好みやライフスタイルに合わせて自由に選んでみて。

飲む(お茶・食べ物)
・ハーブティーを飲む
・オイルカプセルやチンキなどで取り入れる
・食べ物として食事で取り入れる

香る(香り・呼吸)
・アロマポットやディフューザーで芳香浴
・お湯やティッシュなどに精油をたらすだけでもOK
・スプレーなら、掃除にも使える

塗る(マッサージ・湿布・お風呂)
・精油を混ぜたオイルを塗ってマッサージ
・精油やハーブのアロマバスに入る
・タオル湿布や湿布をあてる

エディターNANAが植物療法を学んでみた結果

学ぶきっかけ

「私は学生時代から生理不順だったので、この不調に向き合ってきました。婦人科に通ったり、よもぎ蒸しをしたり、寝る前に小豆カイロで温めたり、生理用品を布ナプキンや吸水ショーツ、オーガニックナプキンに変えたり……。腟まわりのケアを試していくうちに、フィトテラピーに辿り着きました。私は、120歳まで元気で過ごすのが幼少期の夢(笑)。だからこそ、健康でいられる方法があればどんなことでも一度は実践しています。もともと植物が大好きなので、その力を借りて健やかでいられる方法があるならば勉強するしかないと思いました。自分のケアはもちろん、更年期世代で悩んでいる母のケア方法も知りたいので、受講することを決めました」

エディターNANAが受講したスクール

植物療法

今回、NANAが通ったのは「ルボア フィトテラピースクール」の初級コース。日本のフィトテラピー第一人者である、森田敦子さんが主宰する植物療法の学校。アジア唯一のフランスAMPP認定校で、セルフケアから、介護や医療現場でも活かせるメディカルフィトテラピーまで体系的に学ぶことができる。

ルボア フィトテラピー プルミエコース
フィトテラピーの基礎と、美と健康の仕組みを学び、日々の不調や病気の予防を植物の力を用いてケアできる、セルフメディケーションの達人を目指すコース。フィトテラピーの基礎を元に体質に合ったセルフケアができるようになる。自分と向き合い、内観する機会にもなり生活リズムを見直すきっかけに。睡眠、冷え、女性ホルモンの乱れなど、自分自身を知りセルフケアから始める。

取得できる資格:ルボア認定 フィトライフ コーディネーター
受講料:
¥58,400(教材費含む)
期間:
オンラインコース全8コマ(1コマ2時間)4日間 約1ヶ月
定員:30名

カリキュラム:

1.
「フィトテラピー」を理解する <はじまりと成り立ち、活用法>
2.
フランスにおけるフィトテラピー <日常に根づき、学問として体系化>
3.
日本におけるフィトテラピー <民間療法と漢方の考え方>
4.
 心身のバランスを保つ仕組み <ホメオスタシス>
5.
女性のためのフィトテラピー1 <女性ホルモン>
6.
女性のためのフィトテラピー2 <肌>
7.
セルフメディケーション
8.
実践レポート&マイ薬箱の発表

ルボアフィトテラピースクールのコースは、初級のプルミエコースから上級のメディカルコースまで4つのコースがある。進級式でプルミエから順にメディカルまで修了すると、フランスのAMPP(植物療法普及医学協会)認定の植物療法士の資格が取得できる。

植物療法を学んでみて

「初級コースは、自分のからだと向き合い、知ることがテーマ。家族やパートナーのためにケアをしたいと思う人も多くいるだろうけれど、まずは自分ケアから。今の生活を無理をしていないか、不調を見ないふりしていないか。植物に関する知識はもちろん、自分自身が健やか生きることについて、考えるきっかけになりました。講座の内容は、フィトテラピーの歴史から活用法、性科学の内容まで幅広い。今回の講師を担当してくださった森田敦子さんは、いい意味で『いいがげん』、『周りなんてどうでもいい』という気持ちが大切と何度も話してくれました。自分で自分の不調や変化に気づき、ケアする方法を知っていることは、不安や変化が多いこの時代に、とても強いなと思いました」

NANAのマイ薬箱

全8レッスンの最後には、受講生それぞれが自分の悩みに合った「マイ薬箱」を作って発表するお約束。NANAが自分に必要なハーブを集めた結果がこちら。

★メリッサ
ヨーロッパでは、婦人科系のトラブルによく使われるハーブ。女性ホルモンに似ている作用があり、月経不順や月経痛、PMSなど、生理トラブル全般におすすめ。妊婦さんはNG。

★チェストベリー
メリッサと並び、婦人科系の不調に活躍。妊婦さんはNG。

★ラズベリーリーフ
「安産のハーブティー」として知られ、妊婦さんの出産準備や、産後のママの母乳促進、女性の生理痛の緩和など、女性にとって心強い味方のハーブ。

★エキナセア
免疫力向上・抗菌・消炎作用。風邪やインフルエンザなどの感染症、膀胱炎、口内炎、花粉症にも有効。

申し込み受付中!

今回NANAが受講した、ZOOMオンラインプルミエコースが2023年3月12日(日)に開講が決定。現在、申し込み受付中なので、お早めに!

申し込みはこちらから

Headshot of Nana Fukasawa
Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。