数年前からよく聞く「罪悪感ゼロの食べもの」。

まるで小麦や肉、そしてスイーツが悪者のように言われていますが、自分が必要なものが分かれば、そんな食材ともうまくつきあえるようになります。

「すべての植物、食べものは薬にもなるし、毒にもなる」と教えてくれるアーユルヴェーダの視点から、日常の”あるある”シーン別に、選ぶスイーツをお伝えします。

甘味の持つ働き

sugar spoon on wood
ATU Images

アーユルヴェーダでは、酸味、辛味、塩味など味を6タイプに分け、それぞれが持つ働きがあると考えます。

そのなかで甘味はカパ(水のエネルギー)を上げるもの。

重く、油っこく、冷たい性質を持つと考えます。

スイーツを食べすぎた後、身体や気分が重くなったり、眠くなったり、冷えを感じたことはありませんか? それは甘味の持つカパの働きがそうさせていたのです。

甘味の持つ性質を理解すれば、やはりダイエットや冷え性には甘いものを食べ過ぎるのは良くない、と分かりますよね。

でも甘味に合わせる食材を上手にセレクトすれば、スイーツとうまく付き合うこともできるのです。

スイーツの時間は「午後3時」がベスト

アーユルヴェーダ
Kathrin Ziegler

昔から3時はおやつの時間、とされてきましたが、アーユルヴェーダの視点からもピタリと合致しています。

午後14時から18時はヴァータ(風のエネルギー)が上がる時間。疲れやすく、気分も散漫になりやすい時間帯と言われているのです。

甘く栄養のあるものを食べるなら、このヴァータの時間が◎。ランチと夕食の間をとって15時というのがベストなのです。

緊張する時は「温かくしっとり」したスイーツ

traditional chinese food in chinese new year celebration   tangyuan in red bean soup
Daphne Wong

数時間後にプレゼンがあったり、苦手な上司とお茶することになったり。

どうしてもナーバスになってしまう時は、ヴァータ(風のエネルギー)が上がりがちです。温かくしっとりと甘いものがおすすめ。

お汁粉や温かいガトーショコラ、ココアなどほっと一息つけるものをセレクトして。

そして緊張している時は呼吸が浅くなっているので、なるべく深く息を吐くように意識しましょう。

イライラする時は「クールダウン」してくれるもの

アーユルヴェーダ
Aleksandr Kuzmin

思ったように行動できずイライラしている時は、ピッタ(火のエネルギー)が上がっている証拠。なるべくクールダウンさせてくれるものをスイーツに選びましょう。

前述したように甘味は冷やす効果があるので、カッカしている時には味方になってくれます。さらに冷やす効果のある牛乳を使ったバニラアイスクリームは最適。

またココナツを使ったクッキーやぶどう、梨、メロンを使ったパフェもクールダウンしてくれる働きがあるのでおすすめです。

やる気が出ない時は「軽くて乾燥しているもの」

アーユルヴェーダ
Laura Reid

どうしても気分が重く、沈みがちでやる気スイッチが入らない時はカパ(水のエネルギー)が上がっています。重いスイーツは避けましょう。

シリアルバーやグラノーラ、全粒粉のクッキーなど、軽く乾燥しているものを味方につけて。

ドライのイチヂク、イチゴ、ザクロなど甘酸っぱいドライフルーツを食べるのも◎。

疲れている時は「オージャス」を上げるもの

アーユルヴェーダ
Westend61

神経も身体も疲れている時は、ヴァータ(風のエネルギー)が上がっています。

オージャス(生命エネルギー)を上げてくれるものを選んで。デーツにギーを挟んだものが身体に染み渡るのを感じるはず。

ホットミルクにギーとターメリックを混ぜた、ゴールデンミルクもおすすめです。できればお砂糖は甜菜糖や黒糖を選ぶようにしましょう。

疲れと冷えを感じる時は温かい甘酒に、さらにジンジャーを入れればエネルギーが湧くのを実感できるはず。

なんとなく口寂しいから、食べたいからと選ぶよりも、いまの自分と相談して、そして食物の持つ働きを理解すればスイーツも素晴らしい効果を発揮してくれます。

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三野村なつめ
アーユルヴェーダ・アドバイザー、ARYURVIST

元コピーライター。南インドやスリランカを数度訪れた後アーユルヴェーダ・ライフスタイルアドバイザーの資格を取得。コスメブランド「ARYURIVST」やレシピとスパイスがセットになった「整えごはん」を立ち上げる。ARYURVISTから、毎日のクレンジングで角質ケアまで叶う“オイルピール クレンズ”新発売! 

Instagram: @aryurvist_official