世の中には、生理が来るたびに腹痛や食欲の増加を嘆く人がいる一方で、ナプキンが買えないことを嘆く人もいる。文化や教育、社会経済的な状況を理由に、生理を衛生的に管理する機会を奪われるべき人など1人もいない。でも、生理を取り巻く悪いイメージのせいで、実際は多くの女性がその機会を奪われている。オーストラリア版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

生理中の女性が不潔とされる地域や家に閉じ込められる地域、最低限の衛生用品やプライバシーが確保できない地域では、ぼろきれ、土、灰といった非衛生的な物をナプキン代わりにするしかない。この生理貧困の撲滅を究極の目的として、国際NGO『プラン・インターナショナル・ラオス』はオーストラリアの吸水ショーツブランド『Modibodi』とタッグを組んだ。

ラオス政府の地方教育・スポーツ局の協力を得て、『プラン・インターナショナル・ラオス』と『Modibodi』は、ハウン地区の15の学校に通う2千名以上の女子生徒に下着パックを届けた。このウォータープルーフのパックには、経血を吸収するシートが付いた生理用ショーツ5枚が入っている。このショーツは丸洗い可能で、ちゃんとケアすれば何年も使えるため、毎月買う必要がある使い捨てのナプキンよりも格段にサステナブル。

この地域の女性の多くは、子どもの頃から生理に関する間違った情報を教え込まれているため、『プラン・インターナショナル・ラオス』は、同団体の学生クラブを通して性の健康と権利に関する正しい情報を広めたいとも考えている。教育は、女性に力を与えるだけでなく、生理に着せられた汚名を払拭するためにも不可欠。

このような地域では、生理中に一部の食べ物や洗髪が禁じられることもある。

カム族の17歳の女性、ソウヴァン・ザヤフォンも『Women's Agenda』誌に対し、「私は15歳のときに姉からナプキンの使い方を教わりました。発酵食品とエビペーストは腹痛をもたらすので、生理中は避けるようにとも言われました」と語っている。

ザヤフォンは『プラン・インターナショナル・ラオス』の学生クラブを通して、リプロダクティブヘルスと生理中のセルフケアについて学んだ。「1日に3回はナプキンを取り替える必要があることも知りました。生理中でも好きな物が食べられるということも」。この学生クラブに参加する生徒たちは、ゲームと演劇を通してジェンダーの平等やリプロダクティブヘルスに関する情報を習得・共有し、家族や友達と話し合う。

『プラン・インターナショナル』の青年期プロジェクトマネージャー、マニヴァン・ペサラーは同誌に対し、このような会話を持たせることで、女性が生理を恥ずかしく思わない日が来ることを願うと語った。「月経とリプロダクティブヘルスに関する誤った認識を持つ女性や少女がいる以上、このようなタブーを破るのは私たちの重要な任務です。プラン・インターナショナルのイベントでは、生理が来るのも毎月来るのも自然なことで、その間も好きな物を食べて好きな活動に取り組めると教えています」

今回のラオスでの取り組みは小さな一歩だけれど、世界中の生理の貧困撲滅に向けての大きな一歩となるはずだ。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Jessica Campbell Translation: Ai Igamoto