幸せな夫婦に長続きの秘訣を聞くと、大抵この答えが返ってくる、「怒ったまま寝ないこと」。でも、新たな研究により、怒ったまま眠りにつくのは人間関係だけでなく睡眠の質も低下させることが分かった。

質の低い睡眠は、あらゆる面で健康に害を与え、メンタルヘルスを悪化させるばかりか長期的な健康問題のリスクも高めるとされている中で、今回の研究結果は、睡眠の質を改善する手がかりとなるかもしれない。

米アイオワ州立大学の心理学者たちは、有志の被験者436名の“怒り度”をアンケートで調査してから、それぞれの睡眠習慣をモニタリングした。その結果、怒り度が高ければ高いほど、睡眠の質は低くなることが分かった。これは恐らく、怒ったままベッドに入ると、あれやこれやと要らぬことを考えて寝つけないため。研究チームは報告書の中で以下のように述べている。

「総合すると、アンガーマネジメントが苦手な人は、客観的に見ても主観的に見ても睡眠の質が低かった。この研究結果を見る限り、睡眠の質は怒りのレベルによって変化する。つまり、アンガーマネジメントスキルの不足は、睡眠の質を落とす上でもっとも重要な役割を果たすと言える。今回の研究結果は、怒りと睡眠が相互に依存しているという多数のエビデンスを裏付けるもの」

なお、性別、年齢、人種、社会経済的地位、ストレスの違いを考慮に入れても、この結果は変わらなかった。

寝不足になると怒りっぽくなり、そのせいで睡眠の質が低下するという今回と同様の研究結果は過去にも出ている。やはり、自分で自分の睡眠の質を下げている人は意外と多そう。

どうせ眠れないのなら、その時間で問題を解決してしまったほうがいいかもしれない。睡眠の質を高めるためには、普段から以下のようなシンプルな策を講じておくことも大切。

・少し早めにベッドに入る(疲れているときはとくに)

不必要な薬を飲まない

・寝室を適温にする(18~21℃)

・就寝前に電子機器の画面を見ない

・寝酒をせず、カフェインの摂取は午後4時までとする

・夜遅くなってから運動しない

・寝室を暗くする

・睡眠日記をつける

この研究結果は、パーソナリティ研究ジャーナル『Journal of Research in Personality』に掲載された。

※この記事は、『Netdoctor』から翻訳されました。

Text: Jenny Cook Translation: Ai Igamoto