女性特有の問題は、メディアや社会の中で、もっと広く扱われるべき。社会通念やタブーのせいで、世の中には相変わらず話しにくいことや聞きにくいことがある。だから、実際は一般的な問題でも、悩んでいるのは自分だけのような気がしてしまう。その一例が生理の症状。この数年で、生理の話を積極的にシェアする女性は増えてきた。でも、それが睡眠に与える影響は、ほとんど話題にのぼらない。今回は、オーストラリア版ウィメンズヘルスからこの問題について紹介していく。

例えば、“生理不眠”という言葉を聞いたことがあるだろうか? 月経前症候群の症状としてもっとも広く知られているのは、腹痛と無性に何かが食べたくなること。でも、生理前の数日は眠れなくなり、ひと晩じゅう寝返りを打つ人やインスタグラムをスクロールする人も少なくない。

生理不眠は、生理前後の睡眠障害。生理用品メーカー『Bodyform』は、この現象の認知度を高めるために、女性を対象としたアンケートを実施した。その結果、女性は生理中の不安、不快感、恐怖のせいで、生涯平均5カ月分の睡眠を失うことが判明。生理がある人とない人の間には、大きな“睡眠格差”があると言っても過言じゃない。実際、女性の69%は生理中に睡眠の量と質が低くなる。

このアンケートでは、女性の70%が生理の3~6日前に睡眠パターンの変化を感じ取っていた。しかも、生理に伴うホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の変化によって、女性が不眠になる確率は男性の1.25倍。

もう少し具体的に説明しよう。プロゲステロンは生理前の1週間で増加して、あなたが妊娠しなければ急激に減り、子宮の内膜の剥離=生理を引き起こす。問題は、このプロゲステロンに睡眠誘発作用があること。生理前にプロゲステロンが激減すれば、いつものように睡眠が誘発されなくなって、寝たくても寝られなくなる。

これが毎月繰り返されることにより、女性は生涯で平均3,802.5時間あるいは158日(約5カ月)分の睡眠を失う。実際、今回のアンケートに参加した女性の3割は、寝ている間に経血が漏れ、ベッドシーツが汚れることを心配して眠れないと答えている。

生理は恥ずかしいことであり、女性の汚点。そういう悪いイメージや偏見がなくならないから、多くの女性はやりたいことを我慢する。今回のアンケートでも、参加者の60%は外泊や旅行が楽しめないと回答した。せっかく南国のビーチリゾートに来たのに、漏れるのが怖いというだけでロングパンツばかり履き、ウォータースポーツを徹底的に避けるなんて、あまりにももったいない。

調査チームによると、生理前の数日間はいつも以上に睡眠を重視して、体を十分に休めておくことが大切。生理前と生理中は積極的に日光を浴び、就寝前のカフェインを控えることも検討してみて。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Jessica Campbell Translation: Ai Igamoto