「健康」と聞くと頭に思い浮かぶのは、体を動かすことや栄養バランスのとれた食事を摂ることなど体に関するもの。けれども、健康とは心と体両方を含めてこそ意味を成すものです。なのに、なぜか注目され、関心が集まるのはいつも体の健康ばかり。心の健康というとどこかネガティブで、会話の中で話題に上げにくいものなのではないでしょうか。だからこそ、もっとオープンに話せる環境を作りたいという思いで始めたこのコラム。わたし自身が自らの経験で学んだ心と体のつながり、ふと感じた気づきについて、ありのままにシェアしていきます。

大人になると、自分の好きな人だけと付き合っていくことが難しいことに気付かされます。頭に来る上司や苦手な同僚など、考えていることが全く理解できないような相手っているんですよね。

私も以前、とても苦手と感じる上司が職場にいた事がありました。一言一言が鼻につくし、顔も見たくない! とりあえず嫌いの感情で一杯になっていました。

だけどふと気づくと、相手に対するマイナスな感情を抱き続けることは、自分自身が疲れるんです。そしてなにより相手のことばかりに気を取られてしまい、常に気が散りやすくなってしまいます。

当時の私は少しでもこの状況を打破しないと、自分の心の健康を守れないと感じました。相手に対してネガティブな感情を抱き続けるのではなく、少し歩み寄って、いっそ私がまだ知らない相手の新しい一面を発見してみよう! と思い観察を始めてみました。

そうすると、嫌だと思っていた上司が実はすごく仕事熱心で誰よりも努力家なこと、素直に気持ちを伝えることが苦手だけど、本当は愛情深い一面があったことに気がつきました。相手の言動を1つの面だけで見るのではく、様々な面から見ていくことで相手の言動が少し理解できるようになったんですよね。

もちろん誰しも苦手と感じる相手がいて当たり前だし、無理に話しかけたり好きになる必要もないと私は思います。なんて言ったって多種多様な人々がいるからこそ、面白いんじゃないかなって。まずは相手に対する「苦手」の壁を少し取っ払い、一歩、歩み寄ってみること。そして自分とは異なる様々なタイプの人がいるという事実を受け入れることで、対人関係の構築を今よりも楽しんで行えるようになるのではないでしょうか。とは言え、あまりにも頭にきている時は、そんなことなんて忘れてしまうんですけどね(笑)。

さらにもう1つ、私が対人関係を築くために重要だと考えるポイントがあります。それは、自分の視野を広げることです。よく「経験がものを言う」と言いますが、まさにその通りだと思います。自分と異なる人種や性格、バックグラウンドがある人と出会うことや、本を読んだり、新しいことにチャレンジすること。これらは、私たちの中にある「当たり前」を覆し、経験が私たちに新しい視野を与えてくれるんです。自分の中にある「正解」や「当たり前」だけで物事を見てしまうと、現実との矛盾に疲れてしまうし、何より気づかない間に相手を傷つけてしまうこともあるんですよね。

私はイライラしている時、自分の感情に目を向けるようにしています。もしかすると今私は相手に対して、自分の中の固定概念を相手に押し付けて勝手に怒っているだけかもしれない。こんなことを考えます。最初の方で触れたように、全員が同じ考えや価値観を持っているとは限りません。このことをふと思い出すと、自分の怒りの感情が一瞬の風のように自分の中から過ぎ去って行き、冷静に思考できるようになるんです。

自分と相手の言動を冷静に観察することは、決して簡単なことではありません。だからこそまずは、皆それぞれ異なる事実を知り、歩み寄ってみる。そして沢山の経験をすることで自らの視野を広げ、より客観的に自分や相手のことを観察してみる。これらのことが、私たちが大切にするべきポイントではないでしょうか。

ここでご紹介した方法で、あなたも人との関わりを楽しめるようになってもらえたら嬉しいです。

現在配信中のPodcastでもメンタルヘルスのTips紹介や私の何気ない日常の気づきをシェアしています。ぜひ「MJ's cafe」で検索してみてくださいね!

Headshot of マリジョゼ
マリジョゼ
フィットネス&ウェルネストレーナー

フランス系カナダ人の父と日本人の母を持つ。大学時代からスポーツジムでインストラクターとしての活動を開始。自分自身の経験から、より多くの方にコンプレックスや体型を個性として受け入れてもらうべく、フィットネスを通して自己理解の重要性を伝えている。現在は産業カウンセラー資格取得に向け勉強中。ストレス社会に住むわたしたちの心と体の健康をテーマにしたPodcast「MJ's everyday coffee club」も配信している。
インスタグラム:@m4jb0417