ウェルネスへの関心が高い人の間で、注目され続けている「アーユルヴェーダ」。そもそもアーユルヴェーダとは? 今回は、タイプ別の体質診断をはじめとし、アーユルヴェーダ的な生活習慣とおすすめのオイルやスパイス、ハーブなどをまとめてご紹介! 究極のセルフケアをマスターしよう。

<目次>

アーユルヴェーダとは?

アーユルヴェーダとは、世界3大医学の一つ。インド・スリランカで生まれた5000年以上の歴史を持つ世界最古の伝統医学で、サンスクリット語のAyuh(生命・寿命)、Veda(科学・知識)が由来。主に瞑想やヨガ、オイルマッサージ、呼吸法、ハーブを用いた食事療法などで、毎日の生活に取り入れて病気を予防し、心と体の健康を保つことを目的としている。

そして、アーユルヴェーダでは、風、火、水の3つの生命エネルギーのバランスでその人の体質が決まる、と考える。このそれぞれの生命エネルギーのことを“ドーシャ”と呼ぶ。あなたのいまのドーシャバランスは? 次の体質診断でチェックしてみて!

アーユルヴェーダの体質診断

アーユルヴェーダ

一番数が多いのがあなたのドーシャ、ということ。このドーシャバランスはそれぞれ皆違い、状況や季節などで大きく変わるのもよくあることなんだとか。ここから、それぞれのエネルギーについて解説!

ヴァ―タ(風のエネルギー) 

風のように機敏で快活移り気で中性的な繊細タイプ

【特徴】
好奇心に満ち、頭の回転が早く話題も豊富な社交家。流行にも敏感、じっとしているのが苦手でそわそわした動作がクセの人も。歯並びが悪く肌や髪が乾燥しがち。突発的に不安になり緊張しやすいタイプ。

外見:高/低身長、痩せ型、乾燥肌/髪、鷲鼻、歯並びが悪い。目は細めか小さめ、よく動く。爪がひび割れしやすい。

性格:想像力豊か、束縛が嫌い、衝動買いが多い、トレンド好き、おしゃべり、行動力あり、そそっかしく忘れっぽい。

体質:寒さに弱く冷え性。食が細く不安定。精神状態によって食事を抜いたり、どか食いしたりする。睡眠は浅く、寝付きが悪い。音に敏感。怪我をしても治りが早い。

【トラブル傾向】
冷え性、頭痛、髪の傷み、抜け毛、耳鳴り、貧血、首・肩こり、便秘、不眠、関節痛、ネガティブ、疲れが取れない、神経疾患(脳卒中、パーキンソン病など)、循環器疾患(狭心症、高血圧、心筋梗塞)頑張りすぎてストレスを受けやすい。物忘れが多くあちこちにカラダをぶつけることも。

【対策】
凧の糸を手繰り寄せるように、安定を目指し、落ち着いて、ゆっくり温めることを意識して。

おすすめの食べ物:甘いもの、酸っぱいもの、塩味のあるもの。スープやシチューなど温かく栄養たっぷりな料理がおすすめ。スパイスもたくさん使って、消化力アップや基礎体温上昇を目指そう!

●避けた方がいい食べ物:ヴァータの特徴である軽く冷たいものは避けて。ナッツやオイルは良質なものをたっぷり食べて、消化力が弱いので生野菜は控えめに。

おすすめの行動:
入浴。簡単にきこえるけれど、「温める」「リラックスする」の大切な2つがかなう!

適度な運動:散歩や軽いサイクリング程度がおすすめ。

規則正しい生活
:生活リズムが狂うとヴァータは乱れやすくなる。いつもと同じ時間に起きて、同じ時間に食べるようすると良い。

オイルマッサージ
:特に温性の効果が高いごま油でのマッサージが◎。リラックスし、体をいたわり、温めて。

ピッタ(火のエネルギー)

中肉中背で容姿端麗。美意識高いゴージャス派

【特徴】
鋭い眼光で批判的。相手を打ち負かす強烈さ、優れた知性と行動力で自己実現が高い、リーダー気質。頼ってくる人の面倒はとことん見るアネゴ肌。

外見:中肉中背、スタイルが良く関節が柔らかい。肌はキメが細かく、脂性肌の傾向。日焼けをしやすい。髪質は柔らかく細い。若ハゲ、若白髪傾向。均衡が取れた顔、鋭い目つき、ピンクの爪。

体質:暑がり、丈夫。喉が渇きやすく、食欲旺盛。熟睡しやすく短時間睡眠。カラフルな夢。そばかす、ほくろ、ニキビ傾向。軟便気味。視覚が敏感

性格:リーダー気質で野心家。集中力、知性、勇気。自信家。情熱的で、機転が利く。優れた記憶力。競争を好む。完全主義、毒舌、皮肉家、高級品を好む。

【トラブル傾向】
口内炎、肌荒れ、湿疹、目の充血、痔など、体内に熱がたまり、血の熱が上がることで起きるトラブルが多い。発熱や炎症、顔の部分的な赤み。下痢、多汗、胃痛、胸焼け。白髪、肝疾患、胃潰瘍、アルコール中毒、皮膚病。胃・十二指腸潰瘍、肝・胆・脾疾患、心筋梗塞、精神的にはイライラ、批判的、怒り。傲慢になりやすいタイプ。満足できない、楽しくない。見栄っ張り、人の遅れが我慢できない。

【対策】
暑がりで汗っかき、熱がこもりがちなのでクールダウンを心がけて。頑張りすぎず、休むことを覚えるのも大切。

おすすめの食べ物:甘いもの、苦いもの、渋いもの。ウリやゴーヤ、キャベツなど苦味、渋み、甘みのあるものをたくさん食べるように。クールダウンしてくれるミントやバジル、コリアンダーなどがおすすめ。 

避けた方がいい食べ物:ピッタの特徴である熱々のもの、刺激のあるもの、酸っぱいものは避けて。アルコールもピッタを上げてしまうので気をつけて。体に良いと言われているヨーグルトやお酢も、ピッタの人は少なめに。肌荒れや胃痛がある時は特にNG。ニンニクやネギなど辛み、刺激のある野菜は避けて。スパイスも体内の熱を高めるので、ニンニクや生姜は控えめに。

●おすすめの行動:
適度な休息
頑張りすぎてしまうのがピッタの特徴。明日やるべきことも今日中に終わらせようとしたりしがちなので、きちんと休息をとって、一息つく習慣を。

刺激のない生活:食べ物はもちろん、ホラー、戦争映画やディベート討論、スポーツ観戦など興奮するものは控えめに。

運動:何かに挑戦するのが好きなピッタは、達成感のあるスポーツがおすすめ。人とすぐに競争したくなるので、一人で行う山登りやジョギング、水泳などがぴったり!

カパ(水のエネルギー)

色白でふっくらとしたベビーフェイス。 愛情豊かで安定的

【特徴】

行動も話し方もゆっくりで、愛情深いひと。争いを嫌うあまりに我慢してしまい、肉体的にも精神的にも、色々と溜め込んでしまうのも特徴。放っておくとすぐに停滞してしまい、動くことを嫌がり、変化を受け入れられないようになってしまう。

外見:体格がいい、肌が厚く、ふくよか。がっしりとした骨格、色白。髪は太く多く、しっとり。大きな口、ふっくらした唇、睫毛が長く丸顔。大きな瞳。歯は大きく整っている。

体質:体力があり、湿気に弱い。食欲安定。ゆっくりとした食べ方。長く深い睡眠。寝起きが悪く、一日眠いことも。体重が増えやすく、脈はゆっくりで規則的。

性格:安定、思いやり、のんびり、忍耐強い。動作や話し方もゆっくり。新しいものや挑戦より現状のままを好む。覚えるのに時間がかかるが忘れない。愛情深く献身的、寛大さと穏やかさあり。情に弱く争いごとを避ける。

【トラブル傾向】
冷え、だるさ、眠さ。食欲減退。太る、むくむ。鼻炎、気管支疾患、糖尿病、 引きこもり、ウツ、痰が多い、鼻水・鼻づまり、喘息、糖尿病、腫瘤性疾患。精神的には執着心、頑固、貪欲、大雑把。収集癖が強くものが捨てられない。変化を嫌いチャレンジしようとなかなか思えない。

【対処法】
執着せず、留まらず、心身ともに刺激のある日々を心がけて。鼻うがいや乾布摩擦、いつもと違う道を歩くなど、外的にも内的にも常に刺激を与え、同じところに留まらないよう心がけましょう。

●おすすめの食べ物:辛いもの、苦いもの、渋いもの。苦味と辛味のある野菜がおすすめ。ナス、アスパラガス、苦瓜、ブロッコリー、キャベツ、人参、カリフラワー、セロリ、コリアンダー、などをなるべく火を通して。スパイスを効かせたグリルサラダが特にGOOD。ジンジャー、唐辛子、コリアンダーなど、刺激をくれるスパイスはたっぷりと。

●避けた方がいい食べ物:カパの特徴である冷たいもの、重いものは避けましょう。甘いもの、揚げ物、ヨーグルトなどの乳製品は少なめに。乳製品や肉は消化が遅くなりがちなので、少量を少しずつ。ナッツも控えめに。食べ過ぎや食後の昼寝も、カパには大敵! 

●おすすめの行動
6時までの起床 一日の中にもドーシャがあると言われている。朝の6時から10時までは、カパの時間。6時以降に目覚めると一日だるくなりがち。睡眠時間も6時間程度と短めでも大丈夫。早起きを心がけましょう。

軽めの食事:カパの場合は朝食は抜いても構いません。多めに摂るなら昼に。夜もなるべく早い時間に、軽めを心がけましょう。

刺激を与える
:朝日を浴びながらのランニング、乾布摩擦、鼻うがいなど。激しめの運動が向いている。そしてなるべく冷やさないように心がけて。

人はこの3つのドーシャが必ず混ざっているもの。「ピッタとカパ、同じくらい特徴あるんですけど!」という人は、いまの悩みを見つめて。胃痛や肌荒れに悩んでいるのなら、ピッタが強めに。便秘や冷えが気になるのなら、カパが強めに出ている証拠。抑えるためには、それぞれの特徴の逆のことをすればOK。

ここからは、より実践的なアーユルヴェーダ的な生活健康法をご紹介。

アーユルヴェーダの生活習慣 

①舌磨き

インドで数千年も前から使われてきた舌磨き、「タングスクレーパー(銅や銀、時には金など金属を使ったU字状のヘラ)」。口臭の原因にもなる舌苔(下についた白っぽいもの)は、前日などに食べたものがうまく消化できないでいた「未消化物」が舌まで上がってきたもの。「タングスクレーパー」を使って、やさしく舌磨きをすることでデトックスに。

MOTHER タンスクレーパー

タンスクレーパー

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関連リンク:朝は口内細菌がいっぱい! だから5秒でできる舌磨きのデトックス  

②鼻うがい

鼻が詰まっているということは、気の流れが詰まっているということ。朝、鼻うがいでその流れを解放してあげて。やり方は、ネティポットという専用の急須のような形をしたポットで行うのだが、ポイントはぬるま湯200~300mlに小さじ半分の塩を入れた塩水を使用すること。鼻うがいの後は、セサミオイルを鼻の穴に塗って保湿するのがベター。鼻が乾燥すると細菌やウイルスが入りやすくなるのでそれも防いでくれる!

MOTHER ネティポット(ステンレス)

ネティポット(ステンレス)

MOTHER ネティポット(ステンレス)

③耳マッサージ法

アーユルヴェーダでは、耳をマッサージすることで、深くリラックスでき、ストレス性の不眠や難聴、顔のこわばりを取り除きカラダを温めるなどの働きがあるといわれている。

1. 耳全体を人差し指と中指の間に挟み、上下に5回ほどこする
2.
耳の横部分をつまみ、後ろに向かって5回ほどゆっくり回す
3.
耳たぶをやさしく揉みほぐす
4.
耳たぶの上部分を下から上になぞるように揉みほぐす
5.
耳全体を手で覆い、後ろに向かって円を描くようにゆっくりと5回ほど回す

用意できない場合は、オイルがなくても大丈夫。耳をほぐすことで自律神経を整えて、気になっていた不調をケアできる。

関連リンク:耳のマッサージで体が変わる! 手軽に自律神経を整える方法とは? 

④呼吸法

眠れない時、不安や緊張を取り払う呼吸

ナーディー・ショーダナ呼吸法といい、片鼻ずつ行う方法。呼吸の音が聞こえないくらい静かに行って。緊張でナーバスになったり、眠れない時など、ヴァータ(風のエネルギー)を鎮めて、カラダが緩むのを感じるはず。眠る前に行うと、深い睡眠に導いてくれる。
1.右鼻孔を右手の親指でふさぎ左の鼻腔から6秒かけて息を吸う。
2.
6秒止めた後、今度は左鼻孔を右手の薬指でふさぎ右の鼻孔から6秒かけて息を吐く。
3.そのまま右の鼻腔から6秒かけて息を吸う。
4.6秒止めた後、今度は右鼻孔を右手の親指でふさぎ、左の鼻腔から6秒かけて息を吐く。
5.これをワンセットで4~5セット行う。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
「お疲れバスター」ナーディシュッディ
「お疲れバスター」ナーディシュッディ thumnail
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イライラを取り除く呼吸法

シータリー呼吸法といい、舌を丸めて行う呼吸法。カッとしたり、イライラしたときに上がるピッタ(火のエネルギー)をクールダウンしてくれる効果が。

1.舌を丸め、管のようになった舌から息を吸う。
2.
また舌から息を吐き出す。
3. 2秒かけて吸い、2秒かけて吐き出すのを10セットほど行う

吸う息が冷たくなっているのを感じるはず。この冷たい空気が脳内を巡って、心地よく冷えていくのをイメージして。苛立ちを感じたとき、行動したり人になにかを言う前に、この呼吸で冷静になってみて。

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「お疲れバスター」シートカーリー
「お疲れバスター」シートカーリー thumnail
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やる気を引き起こす呼吸法

カパラバーディ呼吸法といい、カラダが重くやる気が出ないとき、カパ(水のエネルギー)が上がった時に効果的な呼吸法。午後、眠くなった時にもおすすめ! 「光る頭蓋骨」という意味で、浄化の効果もある、と考えられる。フッフッフ! と息の音が細かく上がるほど、強く短く行う呼吸法である。

1.鼻からフ! と息を吐く。
2.
吐くときにお腹を背に打つように激しく行う。
3.
吸うときも素早く吸い、1秒に2回は吸って吐いてを繰り返す。
4.50〜60回ほど繰り返す。

短く激しく行うことで、カパのどよんとしたエネルギーに火をつけて、代謝もアップ。 燃え上がる炎をイメージして、やる気が起きるのを感じてみて。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
「お疲れバスター」カパラバティ
「お疲れバスター」カパラバティ thumnail
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関連リンク:息の吐き方だけでカラダが変わる! 身につけたい「呼吸法」

アーユルヴェーダにおすすめのオイル 

ギー

TIME誌では「最も健康な食品50」にも選ばれ、アーユルヴェーダでは最高のオイルとして注目が集まっている「ギー」。原材料のバターとは別物で、アレルギー物質であるカゼインや乳糖が取り除かれているのが特徴。便秘にもアレルギーにも効くと言われている万能薬のオイル。

<ギーの作り方>

1.約450gのグラスフェッドバターを溶かして、牛乳の固形分が表面で泡立つまで低温で加熱する。
2.表面の泡を摂り、タンパク質が鍋のそこに少し残るくらいまでにする。
3.全体が少し色づくまで加熱する。焦がさないように注意して。
4.金属のこし器に布をかけて、清潔なびんに入れれば完成。

※バターからどのくらいのギーを作れるのかは、バターの質によります。高品質のグラスフェッドバターを使った場合、450gのバターからは340gのギーを作ることができます。

関連リンク:今話題のギーとその使い方

セサミオイル

中華などに使う香り高いごま油ではなく、無色透明のごま油「セサミオイル」ほとんどの体質の人にマッチすると言われているオイル。温性のパワーが非常に強く、真冬に暖房のない空間で肌に塗っているだけでもポカポカとしてくるほど。抗酸化の効果でアンチエイジングに優れているのもうれしいポイント。使う前に一度120度程度まで温めてキュアリングすると成分が長時間安定し、肌に吸収されやすくなる。特に耳、そしてひざ下を念入りにマッサージしてみて。

ココナッツオイル

ココナッツオイルは体をクールダウンさせる効果が高いので、心も体もカッカしやすいピッタタイプにぴったり。白髪や抜け毛もピッタが引き起こすトラブルなので、シャンプー前の頭皮のマッサージにもおすすめ。

グレープシードオイル

ぶどうの種を圧搾して作るオイル。油性肌や混合肌にもマッチして、水分と油分のバランスを整えるエモリエント効果が高いグレープシードオイルは、フェイシャルはもちろん体全体のマッサージにもおすすめ。ただ高温調理はNG。加熱によってトランス脂肪酸などが発生する恐れがあるので、揚げ物や炒め物などには使わないで。

コメ油

米を白米へ精製する際に出る米ぬかから作られるオイル。ビタミンEが豊富でアンチエイジング効果が期待できる。少し重めのテクスチャーで、フットマッサージにもおすすめ。米油の特徴的な成分、γ-オザリノールは神経系に作用する成分。更年期障害や、自律神経失調症などに効果が期待できるので、食用にもおすすめだけど、選び方に注意

米ぬかから作るコメ油はタネを圧搾して作る他のオイルと違い、抽出しにくいため、溶剤抽出法を取っているものが多い。その溶剤は毒性があるものが多く、またその溶剤を蒸発させるために高温処理を繰り返すため、トランス脂肪酸が発生。一番搾り、低温圧搾、未精製のものを選ぶのが大事なポイント。

亜麻仁油

フラックスシードオイルとも呼ばれるオイル。原料となる亜麻仁は7千年前から栽培され、ヒポクラテス時代から「皮膚の疾患に有効」と言われてきたこのオイルは、ニキビや湿疹をやさしくなだめる性質を持ち、肌に浸透しやすいのでフェイシャルマッサージにもおすすめ。服用すると血中脂肪やコレステロールを下げ、動脈硬化や脳卒中を予防すると言われているので、ぜひ取り入れて。ただし非常に酸化しやすい性質を持つので、加熱は厳禁。サラダのドレッシングや野菜のおひたしにまわしかけるなどして使うのがベター。納豆にかけて、さらにクミンやコリアンダーシードなど、スパイスと一緒に食べるのもおすすめ。ヴァータを上げる効果があるので、関節痛、不眠、神経痛がある人は使用を控えて。

関連リンク:”食べる”、”塗る”、”熱す”、”生のまま”。より効きやすいオイルの使い方

アーユルヴェーダにおすすめのスパイス 

ターメリック

消毒、殺菌効果の高いターメリック免疫を上げメタボリック予防美肌を育むなど様々なうれしい効果のあるスパイス。さらに止血の効果もあるので、うっかり料理中に包丁で指を切ってしまったら、慌てずにターメリックをパラリと傷にふりかけて。しばらくティッシュでくるめば、消毒&止血の効果を実感するはず。また二日酔い予防として有名な「ウコン」は、英語の名前はターメリック。お酒を飲む前に小さじ1/2のターメリックと蜂蜜を混ぜて飲むのがおすすめ。タンパク質を分解する効果もあるので、調理前の肉や魚に揉み込めばしっとりと柔らかくして、臭みを取る効果まであるので、料理にもぜひ気軽に使ってみて。 

クミンシード

カレーに必ず使われるクミンは、この香りを嗅ぐとカレーを想起する人もいるけれど、クミン自体は爽やかな苦味と辛味、そしてほのかな甘みのあるスパイス。生理不順口内炎が悩みの人は、油を使わず軽くフライパンで炒ったクミンをふたつまみ、食前にじっくりと噛むのがおすすめ。やさしく体内の熱を排出してくれる効果があるので、夏のお茶に一緒に使うとクールダウンの効果も。一晩水につけるだけでもエキスが溶け出すので、水出しの麦茶に一緒に入れるなどして気軽に使ってみて。

ジンジャー

強力な消化力アップの効果を持つジンジャーは、「すべての病気はきちんと消化されずにいた未消化物から発生する」と考えるアーユルヴェーダでは宇宙一! と呼ぶドクターもたくさんいるスパイス。重い食事の後に、ドライジンジャーを小さじ1/2ほど飲むと胃もたれ予防に、また食事の10分ほど前にスライスした生のジンジャーに、ほんの少しだけ岩塩をかけたものを食べれば、胃が活発に動きだすのでおいしくご飯をいただけるようになる。

シナモン

甘い香りでスイーツなどにも大人気のシナモンは、消化促進解毒の効果が。粘性の便を伴う腹痛には、小さじ1/3の量のシナモンパウダーと黒胡椒を白湯に溶いて飲むのがおすすめ。おなかが張っておならが止まらないときは黒胡椒をジンジャーに変えて飲んでみて。

関連リンク: 東洋医療の処方で不調を緩和する5つのスパイス

アーユルヴェーダにおすすめのハーブティー 

ハイビスカスティー

ハイビスカスにはビタミンCとクエン酸がたっぷり。肌のコンディションを整えてくれる効果とお疲れケアも期待できるけれど、なんといってもむくみ対策。カリウムが豊富なので、利尿効果によりむくみを押し流してくれる。午後の足のむくみが気になるときはぜひハイビスカスティーを飲んてみて。

ミントティー

スキッと爽やかな香りがすがすがしいミントティーは、集中力を高めてくれる効果が。眠気を打ち消す効果もあるので、打ち合わせの時や仕事中の飲み物としておすすめ。カフェインたっぷりのコーヒーよりも、ミントの力を借りてみて。

カモミールティー

リラックス効果が高いカモミールティーには鎮静効果や安眠効果があるので、眠れない夜や時差ぼけに一役買ってくれるかも。仕事中のひと息にも、フッと和らげてくれるカモミールがおすすめ。また腹痛を和らげる効果があるので、生理中やお腹が痛いときにも選んでみて。

ホーリーバジルティー

ホーリーバジルは、インドの伝統医学アーユルヴェーダで使用されてきた歴史あるハーブで、身体の滋養源とされている。この古典的なハーブが、あらためてアメリカでヘルスコンシャスな人たちの間で注目を集めている。ストレスを軽減してくれるので、仕事中や睡眠前に。さらに若返りのホルモン「DHEA」を活性化してくれるという嬉しい効果まで。スッと爽やかでクセも少ない味なので、積極的に取り入れてみて。

関連リンク: むくみ・冷え・不眠・ストレス。効果別にハーブティーを使い分ける方法

アーユルヴェーダにおすすめの食事法・レシピ

①アーユルヴェーダ粥「キッチャリー」

体調不良の時に、断食の食上げに、置き換えダイエットにおすすめしたい「キッチャリー」。豆は皮がないのですぐに煮えて、ほくほくとした食感。スパイスを使っているけど辛味がないので、子どもも大好きな味!

natsume minomura
Natsume Minomura

調理時間:10 分
【材料】(2 人分)
・キャッチャリーの具材
・イエロームングマメ…1/2カップ
・米…1/2カップ
・生姜みじん切り…小さじ1/2
・水…4カップ
・岩塩…小さじ1/4
・コリアンダーシード…小さじ1/4
・ターメリック…小さじ1/4
・クミンシード…小さじ1/4
・ギー…大さじ2

【手順】
1.
米とムング豆を洗ってざるに上げておく。
2.
水と塩を入れ、沸騰したら弱火にし、蓋をせずに15分ほど煮て、生姜のみじん切りとギー、スパイスを入れたらすぐに火を止める。

関連リンク:食べて浄化する! アーユルヴェーダ粥「キッチャリー」のレシピ

②眠れない夜のための「カモミール・チャイ」

アーユルヴェーダで眠薬としての効果が期待できる「カモミール・チャイ」レシピをご紹介。紅茶の葉でなく、カモミールを使うことでさらに安眠効果がパワフルに。冬の眠れない夜に、ぜひ試してみて。

カモミール チャイnatsume minomura
Natsume Minomura

材料
・クローブ…3~5粒
・カルダモン…2~4粒
・ブラックペパー…3粒
・シナモンスティック…半分
・ジンジャー…一片
・ドライカモミール…大さじ2
・砂糖…大さじ1~2
・水…400ml
・牛乳または豆乳…300ml

作り方
1. スパイス類はすり鉢、または包丁で軽く潰す
(これをすると香りの豊かさが違うのでぜひやってみてください)
2.
水400mlにスパイスとカモミールを入れ、中火で沸騰させる
3.
お湯が1/3くらいの量になるまで煮詰め、エキスをしっかりとお湯に移す
4.
牛乳、または豆乳を入れ、弱火にして吹きこぼれないように気をつけながら温める
5.
茶こしでスパイスを取り除きながらカップに移す
6.
砂糖を加えて、熱々のチャイをゆっくりいただく

関連リンク:眠れない夜に試したい安眠スパイスたっぷりのカモミール・チャイ

まとめ

同じ場所にいても風邪をひく人、ひかない人。同じものと食べても太る人、太らない人がいる。アーユルヴェーダでは、「その人の体質は、世界でただひとりだけ」と考えるから、人によって体質が違って当たり前。あなたに合う食べ物やオイル、ライフスタイルを見つけてみて!

Headshot of 三野村なつめ
三野村なつめ
アーユルヴェーダ・アドバイザー、ARYURVIST

元コピーライター。南インドやスリランカを数度訪れた後アーユルヴェーダ・ライフスタイルアドバイザーの資格を取得。コスメブランド「ARYURIVST」やレシピとスパイスがセットになった「整えごはん」を立ち上げる。ARYURVISTから、毎日のクレンジングで角質ケアまで叶う“オイルピール クレンズ”新発売! 

Headshot of Nana Fukasawa
Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。