皆さんは、自分の生理の量について知っていますか? また、自分は生理の量が少ない、多いという認識をしたことはありますか? 生理痛のように、「いつもあるからそれが当たり前」だと思い込み我慢していませんか?

 今回は、婦人科医の菊地 盤先生ご協力いただき、日本人の多くの人が抱えていると言われる過多月経についてお話していきます。

過多月経ってなに?

 そもそも、どこからが過多月経に当てはまるのでしょうか? 日本産婦人科学会の定義では、「月経の出血量が異常に多いものを言う。ふつう150ml以上をいう。しかし、臨床的には患者の訴えで判断されるのでそれほど厳密ではないが、通常、その結果として貧血に陥っている場合が多い」とあります。

 分かりやすく言うと、1回の生理の出血量が150ml以上あること、レバーのような塊が出ることが過多月経のサイン。ここで注意しなくてはいけないのは、1日ではなく1回の生理の量が150mlなので、夜用のナプキン(1枚約50mlの吸収があるとすると)3枚程度替えたときの量です。「あれ? 1日でそのぐらい出るけど」と思う方も多いでしょう。

 先生によると、昼間から夜用のナプキンをつける必要がある人は、過多月経の可能性があると考えて良いそう。

menstrual cup
South_agency//Getty Images

過多月経の原因

 過多月経の背景には様々な原因が考えられますが、子宮筋腫や子宮腺筋症などの良性疾患を含め、大きな病気が隠れている可能性があります。子宮筋腫は子宮壁にできる良性の腫瘍で、妊娠の妨げとなる場合もあり、筋腫を摘出する手術を行うこともあります。しかし、生理の量を人と比較することは少なく、自分は量が多いからとそのまま放置しているケースがほとんどなのが現実です。

 受診することにより過多月経の原因が見つかれば、それに合った治療を受けることができます。手術以外にピルなどのホルモン剤で治療できる場合もあれば、子宮内膜をマイクロ波で焼却する治療も日本では2012年から保険適応になっています。また、最終的な治療法の中には子宮全摘術もあるそうです。

 妊娠を希望する場合は子宮全摘術や焼却はできないので、他の治療法を探すことになります。まずは受診することが何よりも大切だと先生は言います。

過多月経を見つけるには

 今までの内容から「もしかしたら」と思い当たる節があった方もいると思います。けれど、決定的な不調がなければ病院へ行くのを先延ばしにしてしまうのもよく分かります。私は、健康診断と一緒に婦人科検診を年に一度行っています。また、ピルを処方してもらうために半年に一度の採血をするのですが、そこでも気になることがあれば都度相談をして不安をなくす努力をしています。

 Period.で吸収ショーツを販売するなかで「漏れ」に関する質問を多くいただきます。11月に新たに発売した商品は最大20mlと30mlの吸水が可能で、1日の平均と言われる量の吸収はできる仕様です。もし、Period.のショーツをはいた際に全然足りなく漏れてしまったという方は、過多月経の可能性が考えられるので一度受診してみてください。

 吸収量が大容量ならば漏れの不安や心配から解放されるのはもちろん、快適になるでしょう。しかし、それを当たり前に捉え病気のサインを見逃してしまうのはとても危険なことです。Period.のショーツは皆さんに自分の身体について今一度知ってもらう機会になったらという思いから創られています。ショーツをはくだけで色々な発見があると思うので、ぜひ一度トライしてみてください。

取材協力:メディカルパーク横浜院長/順天堂大学医学部産婦人科学教室客員准教授 菊地盤先生

Headshot of Kiriko Kageyama
Kiriko Kageyama
エル・グルメ編集長/ウイメンズヘルス編集長

『エル・オンライン(現エル・デジタル)』のファッションエディターを経て、フリーランスに。女性ランナーによる企画集団「ランガール」を設立。その後女性誌立ち上げやWebメディアの立ち上げを経て2017年にウィメンズヘルス』日本版ローンチ時から編集長に。2023年夏よりエル・グルメ編集長も兼務。趣味は料理を作って友人たちに振る舞うこと。