タラの肝臓の油……決して美味しそうだとは思えないけれど、栄養価はずば抜けて優秀。

肝油とはタイセイヨウダラの肝臓から抽出されたもので、通常はサプリメントとして液体やカプセルの形で摂取されている。他の魚油と同様に、身体によい脂質がたっぷり。オメガ3脂肪酸やビタミン(とくにAとD)、抗酸化物質も豊富に含まれている。

たった小さじ1杯の肝油で、ビタミンAは1日の推奨摂取量(RDA)の150%、ビタミンDは56%とビタミンを大量に補うことができる。ビタミンAは、目や脳、皮膚の健康を向上させ、ビタミンDはカルシウムの吸収を促し、健康な骨の維持を助長してくれる。さらに890mgも含まれるオメガ3脂肪酸(とくにEPAとDHA)は、免疫力を高めてビタミンやミネラルの吸収を高めてくれるとか。

肝油の効能が発見されたのは1700年代後半。当時は、関節に影響を与えるリウマチの治療に使用されており、1800年代では、くる病の治療にも用いられるようになった。くる病とはビタミンDの欠乏によって引き起こされる疾患で、子どもの健全な骨の発達を妨げてしまうもの。

そんな肝油が、昨今ではウェルネス業界でも注目を集めている。

というわけで、さっそく肝油の詳しい効能をイギリス版ウィメンズヘルスからみていこう。

1. 炎症を軽減する

肝油には、強い抗酸化作用を持つビタミンと炎症を軽減するオメガ3脂肪酸がたっぷり。研究によると、オメガ3脂肪酸には、体内で炎症を引き起こすタンパク質を減らして炎症を抑える働きがある。炎症は長期間続くと体にとって有害となり、病気や高血圧のリスクが増加する。

2. 目の健康を支える

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肝油に含まれるオメガ3脂肪酸とビタミンAは、いずれも緑内障(視神経の損傷)や加齢黄斑変性(老化に伴う視力の低下)の原因となる炎症を抑えて、目の健康を向上させることで知られている。

3. 骨の健康を守る

ビタミンDが豊富な肝油は骨にも有益であり、40歳以降から起こりやすい加齢による骨量の減少を抑制する働きに優れている。寒い地域に住む人々はとくに、血中のビタミンD濃度を上げるように心がける必要がある。定期的に日光を浴びると体内のビタミンDを自然に増やすことができるため、週に数回は、昼間の日光に10〜30分ほど当たるようにしよう。

4. 関節痛を和らげる

肝油は炎症を軽減することが実証されており、関節炎による関節の痛みや腫れ、こわばりにも効果がある。その効き目はなんと、関節リウマチの薬を30%減らすことができるほど!

5. 心臓の健康を支える

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血中トリグリセリドを減少させ、「善玉」コレステロールを増加させるオメガ3脂肪酸を豊富に含むことから、長年魚は心臓病のリスクの低減と結びつけられている。

抗酸化物質として作用するオメガ3脂肪酸は、動脈硬化(心臓から酸素を運ぶ血管の損傷)や血栓の予防にも役立つとのこと。

6. メンタルヘルスを向上する可能性がある

ある研究では、定期的に肝油を摂取すると、うつ病の症状が軽減することを示している。理由は、セロトニンなどの気分を高める神経伝達物質の活性を、肝油に含まれるオメガ3脂肪酸やビタミンDが刺激するからだと考えられている。

また、良質な脂質を食事と一緒に摂ると、炭水化物が糖にゆっくり分解されるため、脳の健康増進にも有効だとか。さらにビタミンDは、とくに高齢者の認知能力を向上させることが証明されている。

7. 治癒を早める可能性がある

肝油を局所的に塗布すると、肝油に含まれるビタミンAが傷の修復を助長し、治癒が早まる可能性がある(でもこの一説は無毛マウスを用いた研究結果であるため、人間への効果は現時点で定かでないそう)

8. カロリーが低い

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肝油は小さじ1杯で41kcalと低カロリー。毎日摂取でき、手軽に手に入るもの。良質な脂質は満腹感をもたらしてくれるため、肝油を取り入れるとおやつを食べたい欲求が減り、その結果として血糖値が急激に上昇するのを防ぐことができる。

ただし、ビタミンAは過剰に摂取すると有害な影響が現れることがあるため、一度に摂り過ぎるのは禁物。妊娠中の女性はとくに注意が必要。多くてもスプーン2杯までに止めておこう。
 
この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: REBECCA GILLAM Translation : Yukie Kawabata

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Rebecca Gillam

Bex is a wellbeing writer, brand consultant and qualified yoga and meditation teacher who likes baths, crystals, running with her pup Gustav and making unboring vegan-ish food. 

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川畑 幸絵
翻訳者

短大卒業後バンクーバー、メルボルンで2年留学した後、外資系客室乗務員として勤務。2018年に退職後、翻訳者としてフリーランスに転身。アメリカで統合栄養学を学んだ経験もあり。