正直言ってローフードの食生活は、一番美味しいわけでも一番ヘルシーなわけでもないけれど、TikTokに登場した1人の専門家いわく、この“生のニンジンサラダ”は生理中のホルモンバランスの調節に役立つそう。でもそれって本当なの? 今回は、イギリス版ウィメンズヘルスからを詳細を見ていこう。

生のニンジンのサラダと聞いて胸が躍る人は少ないかと思いきや、#rawcarrotsalad(ローキャロットサラダ)というハッシュタグが付いた動画は、SNSで810万回も再生されている。よって、生のニンジンを好む人は意外と多い。

確かにニンジンはビタミンとミネラルの宝庫で、ビタミンCやB6、鉄といった栄養素の優秀な供給源。

これはtiktokの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

TikTokユーザーのペイジ・ニコールによると、この野菜はホルモンバランスの調節にも役立つ。ペイジはホリスティック・ホルモンスペシャリストのトレーニングを積む中で、食物繊維たっぷりのニンジンを食べると、余分なエストロゲンが排出されやすくなり、それゆえホルモンバランスが整いやすくなることを知り、生のニンジンサラダを頻繁に食べるようになったそう。

動画の中でペイジは、ニンジンサラダを作りながら「エストロゲンとプロゲステロンは月経サイクルの中で増減を繰り返すでしょう?」と語る。
「だから、これ(生のニンジンサラダ)をできるだけ食べるようにしているの。特に黄体期ではね。黄体期は、体内でエストロゲンが優位になるときだから」

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ペイジいわくエストロゲンの量を調節すれば、むくみ、疲労、筋けいれんといった月経前症候群(PMS)の症状も緩和するそう。

ペイジは、50万いいねを突破する勢いの動画の中で、このサラダの作り方も紹介している。といっても、ニンジンをボウルいっぱいにすりおろし、高品質のオリーブオイルとアップルサイダービネガーをかけ、塩コショウをふるだけ。もちろん、ほかの野菜と一緒に食べてもOK。

ペイジの主張に科学的根拠はあるの?

不妊治療と腸活を専門とする公認管理栄養士のナターシャ・エヴァンスによると、このトレンドを生み出したのは、アメリカ人生物学者のレイ・ピート博士。「ピート博士は、生のニンジンサラダで重度の片頭痛が治ることを発見しました。片頭痛はエストロゲンが優位のときの症状です。そこからピート博士は、生のニンジンサラダが腸、デトックス、ホルモンに与える影響を調べ始めたそうですよ」

でも、このサラダでエストロゲンの量が調節されるのは一体なぜ? 「生のニンジンに含まれる食物繊維は、余分なエストロゲンを結合して、お通じを良くします。だから、余分なエストロゲンが体に再び吸収されなくなるんです」

デトックス機能があるのは肝臓だけかと思いきや、エヴァンスいわく皮膚、肺、腎臓、リンパ、腸といったほかの臓器もデトックスに貢献している。

「実は、使用済みの物質(ホルモンや消化酵素、胆汁、細菌、消化されなかった食べものなど)を排除するのも腸の役割。お通じが悪いと、体から出ていくべきエストロゲンが結腸に長く居座りすぎて、体に再び吸収されてしまいます」

「その結果、エストロゲンが優位になるというわけですね。エストロゲン優位状態は、炎症、PMS、不妊や男性の勃起障害を引き起こすことがありますし、甲状腺機能低下症や乳がんにも関係します」

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Sarah Finley Translation: Ai Igamoto