今ダイエットに励んでいるなら、健康的かつ持続可能な方法で減量をサポートしてくれるものはなんだってウェルカムなはず。オーストラリアのRMIT大学の研究者によると、「ローゼル」という植物は、あなたのダイエットの強力なサポーターになってくれるのだとか。アメリカ版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。
博士候補生のマニシャ・シンが率いる科学者チームは、鮮やかで真っ赤なローゼルの果実に含まれる抗酸化物質には抗肥満作用があり、現在の体重管理薬の代替食品になりえるほどの効果を発揮する可能性を明らかにしている。
ローゼルに含まれるポリフェノールと呼ばれる抗酸化化合物には、消化酵素リパーゼを阻害するという点で、肥満管理薬と似た作用が備わっているという。体内で自然に作られるリパーゼは、腸から脂肪を吸収できるように脂肪を細かく分解したり、余分な脂肪は脂肪細胞に変換する働きを担っている。けれども、ポリフェノールがリパーゼの働きを阻止した場合には、脂肪が吸収されなくなり、老廃物として結腸を通過するようになる。
そんなわけで、肥満管理の一貫として治療薬を服用している人にとってこの発見は、劇的な変化をもたらす可能性を秘めているよう。なぜなら、薬には副作用がつきものだから。肥満の治療に用いられる薬の多くは、体重をコントロールする効果がある一方で、腎臓や肝臓、血圧など、身体に悪影響を及ぼす恐れがある。
よって、「この（ローゼルに含まれる）ポリフェノール化合物は植物由来であるため、安心して摂取することができます。副作用は少ない、あるいはまったく無いとすら言えるでしょう」と、シン氏は話している。
ローゼルとは？
Penpak Ngamsathain//Getty Images
アオイ科フヨウ属の植物。一年生または多年生の亜灌木（亜低木）。和名はローゼルソウ。ハイビスカスティーの原料はローゼルである場合は多い。多年草ではあるものの、寒さに弱いので日本では一年草として扱われる。栽培も可能。
実際にローゼルをどうやって摂取するの？
「ロゼールの抽出物は、脂肪細胞の形成を阻止するのに効果的なだけでなく、薬の有害な副作用を回避する健康食品を作るのに役立つでしょう」と話すのは、オーストラリアのRMIT大学フード・リサーチ・イノベーション・センターのベヌ・アディカリ教授。本研究を監修したアディカリ教授は、アフリカ原産のローゼルが、今後オーストラリアの健康食品業界を支える大きな存在になると推測している。
さらにこのハイビスカス科の植物であるローゼルは、オーストラリアで栽培するのに理想的な植物。「オーストラリアの気候は、ローゼルを栽培するのに最適です」と、アディカリ教授。「頑丈で耐病性に優れるこの植物は、栽培するうえで多くの土地や水を必要としません」
健康食品からローゼルの効能をしっかり得るための最善の方法は、ローゼルのフェノール抽出物をカプセル化することだと研究チームは話している。「フェノール抽出物は酸化しやすいため、カプセル化することで保存期間を延ばせるだけでなく、それが体内で放出されて吸収される一連のプロセスをコントロールすることが可能になります」と、アディカリ教授は付け加えた。「抽出物をカプセル化しなければ、効果を得られる前に胃の中で分解されてしまうでしょう」
研究者たちによると、現段階ではこの抽出物を小さな丸い玉にして、飲みものとして摂取することができる。ローゼルの種を含んだ色鮮やかなガクを味わったことがある人は、これがどんなに美味しいものなのかすでにわかっているはず。そう、まずはローゼルを原料としており手軽に入手できる、ハイビスカスティーを飲んでみよう。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: ALIX NICHOLSON Translation : Yukie Kawabata
