健康、育児、ライフスタイル、心理学を専門とするライターのジュディ・コウツキーは日々の間食がやめられないと話す。ガッツリ食べるのは好きじゃなく、ボリュームのある食事を1日3回するより、軽めの食事を1日6回するべきというマントラを長年にわたり信じてきた。でも、食事日記を始めたら、自身が食べている量に驚いたのだそう。今回はそんな彼女が間食を1カ月間食をやめてみた結果をレポート。

間食に関する栄養士の意見は分かれるけれど、その中身を慎重に決めるべきという点と、マインドレスに食べるのを避けるべきという点では一致している。米インディアナ大学医学部の臨床名誉教授モートン・タヴェル医学博士によると、1日の総摂取カロリーの25%を間食から摂っている人も少なくないので、中身を賢く選ぶのは大事なこと。

「間食が本質的に悪いとは思いません」と話すのは、公認管理栄養士のアナ・レイズドーフ。「おなかが空いているのなら食べるべきだと思っています。でも、退屈や疲労といった空腹以外の理由からする間食は、抑えが効かなくなりがちです」

そこで私は間食を1カ月やめ、朝食、昼食、夕食だけをとってみることにした。普段のメニューを変えすぎないよう注意しながら、野菜とフルーツの食物繊維を豊富に摂取する予定。深夜はもちろん、午前半ばと午後半ばのおやつも禁じる。そこから私が学んだことは? 専門家のフィードバックも併せてチェック。

隠されたカロリーの存在に気づいた

間食だらけの1日から突如間食なしになったので、初日はかなりハードだった。間食にカウントされる物が何かも分からなかった。例えばコーヒー。私が飲むインスタントコーヒー自体は低カロリー。でも、そこに入れる無脂肪乳は? 調べてみると、60mlの無脂肪乳には糖質が3g、カロリーが23kcal、糖類が3g含まれている。だから朝の1杯を飲むたびに間食をしているような気分になって、最終的には無脂肪乳の量を減らした。コーヒーの味は落ちたけれど、これもチャレンジの一環だから仕方ない。

専門家のフィードバック:公認管理栄養士のリサ・コーンによると、砂糖や人工的なフレーバーを加えすぎていない限りは、コーヒーに少量の無脂肪乳を入れて飲んでも問題ない。

ランチタイムが早くなった

午前中の休み時間には、大抵いつもウエイト・ウォッチャーズのチーズスティックとナッツ(調子がよい日)か、前日の夕食の残り物(調子が悪い日)を食べていた。この間食がなくなったので、午前中から強烈な空腹に襲われた。普段は1時にランチを食べていたけれど、チャレンジ期間中は11時から12時の間に食べた。そうすると午後が長い。結果論ではあるけれど、食生活を急に変える前に栄養士に相談して、もっとまともな食事プランを考えるべきだった。

専門家のフィードバック:「間食をしないなら、食事からバランスのよいエネルギー(カロリー)と5~10gの脂質を摂取するべきです」とコーン。その脂質に加えて食事には、約30gの複合糖質と約10gの食物繊維が含まれているといい。

コーンが言う理想的な食事の例:
●アボカド1/4個にオリーブオイルを振りかける
●脂肪の少ないタンパク源85~140g(魚、鶏むね肉、卵、豆腐など)
●複合糖質30g(豆、全粒発芽パン、オーツ麦など)
●糖質が10g以下のフルーツ1食分(ベリーやグレープフルーツ)

何を食べても空腹が満たされなかった

午後3時には、ヘルシーな間食(いつもならバナナかリンゴ、ハードな日にはクッキー)の代わりに紅茶を飲んだ。でも、残念ながら、おなかのゴロゴロは止まらなかった。水を飲み続けても結果は同じで、しまいには頭がフラフラ。お酒を飲んでいないのに、頭がボーッとし始めた。

いつもなら夕食は6時頃。でも、間食をやめてからは5時までに腹ペコで、チャレンジ初日は鶏むね肉を3枚(普段は1枚)も食べてしまった。それでも、おなかが満たされない。いつもの夕食はサラダとタンパク源(約110gの鶏むね肉かターキー)に加えてフルーツ。チャレンジ期間中もメニューは変えなかったけれど、食べる量は急増した。食後にバナナ2本とオレンジを食べた日もあるくらい。

チャレンジ期間中に私が直面した最大の問題は、まさにコレ。いつも腹ペコで力が出ない。食べ物のことばかり考えて、食事の時間が待てなくなった。

栄養士のフィードバック:私の夕食には、食物繊維を含む全粒穀物が足りなかった。「食物繊維が豊富な全粒穀物、フルーツ、野菜は、満腹感を持続させるだけでなく、糖の分解を遅らせて血糖値の急上昇も防いでくれます」と説明する公認管理栄養士のローラ・キャンベルは、ブルーベリー、オーツ麦、チアシード、レンズ豆の摂取を勧める。

私には間食が必要

おなかが空きすぎた平日や週末のパーティーで何度か間食をしたことは否めない。ヘルシーなものを選ぼうとはしたけれど、ときどき無性にキットカットが食べたくなった。おなかが空いた状態で眠りにつくのもつらかった。間食をしないほうが好調な人はいる。でも、私には間食が必要だった。それに、毎回あれだけ食べていたことを考えると、摂取カロリーも間食をしていたときより多かったに違いない。

専門家のフィードバック:いつも高糖質のクッキーやデザートを食べるのはよくないけれど、ヘルシーな間食なら大丈夫。「非加工で栄養たっぷりの食品を少しだけにしておけば、まず間違いないありません」とタヴェル博士。「間食のカロリーは1食あたり100~200kcalに抑えましょう」。タヴェル博士のオススメは、高タンパクで人工的に甘くされていないヨーグルトか、腹持ちのよいフルーツとナッツ。

公認管理栄養士のアディナ・ピアソン博士によると、枝豆、カッテージチーズ、卵もオススメ。「脂質は消化を遅らせて、間食の腹持ちを少しだけよくしてくれます」

チャレンジ期間後

チャレンジ期間を終えた私は大喜びで間食を再開した。でも、分量に気を配り、午前半ばと午後半ばの2回にとどめることにした。レイズドーフいわく問題は夜の間食。「夜は活動量が少ないですし、疲れていたり退屈していたりすることが多いので、アンヘルシーな食べ物に手が伸びやすくなります。午前と午後に1回ずつ間食をとるのはいいですが、夕食後は何も食べるべきではありません」。この折衷案には私も満足。

※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。

Text: Judy Koutsky Translation: Ai Igamoto