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自分で自分を幸せにするシンプルな方法14

シンプルな14のアドバイスで幸福度を高めよう!

By Alexia Dellner and
beautiful happy woman in a bright shirt against the background of a bright purple bougainvillea
Tatiana Maksimova//Getty Images

毎年3月20日は国際幸福デー。国連の持続可能開発ソリューションネットワークが発表した2023年の「世界幸福度報告」では、フィンランドが6年連続で世界一幸せな国に選ばれた。

これはフィンランド人がコーヒーを大量に飲み、人口1人あたりのサウナの数が最も多い国に住んでいるからかもしれない。

じゃあ、フィンランドに住んでいない人たちが幸福度を高めるには? 私たちの幸福度に影響を与えることの中には、私たちのコントロールが及ばないこともある。例えば、自分の国の幸福度ランキング。日本の幸福度が例年低く、去年も47位だったのは私たちのせいじゃない。

でも、著書に『The How of Happiness』を持つ心理学者のソニア・リュボミルスキー博士によると、幸福の秘訣はポジティブな気持ちの“強さ”ではなく、ポジティブな気持ちになる“頻度”なので、幸福度を高めるのは意外と簡単。

甘い物に頼っても幸せな気分になれるのは一瞬だけ。だから、専門家のアドバイスに耳を傾け、日常生活を少しずつ変えていこう。そうすれば、幸せになる方法で頭を悩ませることもなくなる。自分で自分を幸せにするシンプルな14のアドバイスをイギリス版ウィメンズヘルスから見ていこう。

close up of a happy woman eating chocolate
skynesher//Getty Images

1.自分を優先する

自分中心という言葉は悪い意味で使われることが多いけれど、あなただけでなく周囲の人にとっても、ある程度自分中心になることが最善のときもある。

ハッピーな人たちはためらうことなく自分のニーズに耳を傾け、自分の幸せを最優先にすることが多い。なぜかというと、そうすることで自分の大事な人やプロジェクトに対してもベストを尽くすことができるから。

自分の体と心と魂を徹底的に愛情深く、本気でケアすることは、常に私たちの最優先事項であるべき。そうすれば、あらゆるレベルで最高の自分でいられる。

2.ダークチョコレートを食べる

チョコレートやおいしいココアがないと調子が出ないときはある。少量のダークチョコレートを摂取すると、脳からエンドルフィンが分泌されてセロトニンの量が増加するため、幸せな気分になれる。チョコレートはダークであればあるほどよい。大抵のミルクチョコレートは砂糖たっぷりなので要注意。

3.「せめて~だったらなあ」という思考回路を断つ

もっと体が細ければ/頭がよければ/お金があれば幸せになれるのに? それは違う。これまでの研究から、「こうすれば幸せになれるはず」という私たちの予測は、ことごとく外れることが分かっている。

しかも、私たち人間には“快楽順応”という問題があり、日常の小さな贅沢に慣れてしまうと、どんなにステキな車/恋人/体を手に入れても、そのありがたみを感じなくなってしまう。

4.緑茶を飲む

臨床栄養学専門誌『American Journal of Clinical Nutrition』掲載の論文によると、緑茶を1日4杯以上飲む人は1杯未満の人に比べて、うつ病になる確率が44%低い。これは、緑茶に含まれるアミノ酸のテアニンが不安の症状を和らげて、リラクゼーション作用を持つアルファ波という脳波の生成を促すためと考えられている。それと同時に脳内のセロトニンとドーパミンの量も増えるため、必然的に気分が良くなる。

緑茶の中でも抹茶と煎茶は、抗酸化物質をもっとも多く含んでいるのでオススメ。

medium wide shot low angle view of woman relaxing after finishing yoga class in studio
Thomas Barwick//Getty Images

5.体を動かす

ネットで「幸せになる方法」を調べる時間があるのなら、運動して汗を流そう。これまでの調査によって、運動はストレスを減らし、睡眠の質と生産性を高め、全体的な健康状態を改善することが分かっている(これでも数あるメリットの数例に過ぎない)。ちょっと幸せな気分になりたいときは、穏やかなヨガでも十分。

6.小さな喜びを集める

瞬間的な喜び(コートのポケットに500円玉が入っているのを見つけたときのような小さな喜び)は、私たちのウェルビーイングにとって非常に重要。「小さな出来事が幸福度に与える累積的な効果は、大きな出来事よりもパワフルです」とリュボミルスキー博士。米ミシガン大学の研究では参加者がコピーを取るよう依頼され、50%の確率でコピー機にわざと残されていた10セント硬貨を発見した。たったそれだけのことなのに、そのラッキーな参加者たちがのちのアンケートで報告した人生に対する満足度は、それ以外の参加者より高かった。

あなたも今日から幸せな気分を高めるために小さな喜びを見つけよう。会社を抜け出してコーヒーを飲んだり、海外の友人とスカイプしたり、洗いたてのシーツで寝たり。また、心理学者が用いる“一日再現法”では、テレビ鑑賞や買い物、ネットサーフィンよりも、エクササイズや何もしないことのほうが重要なアクティビティ。あとで見つけて喜ぶために、家の中に500円玉を隠しておくのも悪くない。

7.幸せな人と付き合う

米カリフォルニア大学とハーバードメディカルスクールの合同研究の結果によると、幸せな友達が1人増えるたびに、あなた自身も幸せになる確率が9%高くなる。しかも、幸せは社会の輪を通して人から人へ広がる可能性がある。

ハッピーな気持ちになりたいときは女子会もオススメ。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの論文によれば、笑い声や「やったー!」というようなポジティブな声を聞くと、私たちが笑ったときに活性化する脳の領域が反応する。チームワークも幸福感を高めるのでパブクイズに挑戦してみて。

woman leaning on doorway, writing in notebook
Kathrin Ziegler//Getty Images

8.感謝を習慣にする

リュボミルスキー博士は、感謝するための時間を作ると8つの理由で幸福感が増すことを発見した。まず、1)社会的な絆が深まり、2)自尊心が高くなり、3)ネガティブな感情が消える。そして、4)自分と他者を比較すること(社会的比較)が減り、5)ストレスに対処しやすくなって、6)より倫理的な行動が取れるようになる。さらには、7)自分が手にしている物事を当たり前と思わなくなり、8)人生が楽しめるようになる。感謝を習慣にしたいなら、週に一度のペースで感謝日記をつけてみて。リュボミルスキー博士の論文によると、ありがたいと思うことのリストは毎日ではなく週単位で書いたほうがよい結果が得られるそう。

9.オフィスを家庭的な雰囲気にする

デスクの下にスリッパとジョーマローンのキャンドルを隠すという話ではないけれど、オフィス空間に自分らしさを加えれば幸福感がアップする。実験心理学専門誌『The Journal of Experimental Psychology』に掲載された研究でも、自分のワークスペースを自分で管理している従業員は幸福度が40%高く、生産性が32%高いという結果になった。

デスクだけでなく壁にも手を加えてみよう。これまでの研究から、芸術作品(特に自然の写真)はストレスの軽減に役立つことが分かっている。また、青色には混沌とした思考を落ち着かせる効果があるとされている(心理カウンセラーが「あおむけになって空を見なさい」と言うのも、これが理由)。

10.善いことをしてよい気分になる


健康心理学専門誌『Health Psychology』に掲載された1万人を対象とした研究結果を見る限り、定期的にボランティア活動をする人は人助けをしない人より平均寿命が長い。ボランティア活動は心疾患、ストレス、うつ病の発症率を低下させるとも言われており、とある論文によれば、利他的なことをしようと考えるだけで、喜びをもたらす化学物質のセロトニンとドーパミンが分泌される。

パブリックヘルス専門誌『BMC Public Health』掲載の論文によると、人のためになることをすれば自分の幸福感も増す。英エクセター大学メディカルスクールがボランティア活動と健康状態の関係性を調べた過去20年分の論文40本を見直したところ、ボランティア活動をすると気分の落ち込みが軽くなり、ウェルビーイングが向上し、人生に対する満足度が高くなり、早期死亡のリスクが22%低下することが分かった。これでもう幸せになるための方法が分からずに思い悩むことはない。

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caucasian woman sleeping in bed near open window
Sophie Filippova//Getty Images

11.もっと寝る

寝不足のときは誰でも不機嫌で怒りっぽく、思い込みが激しい人になってしまう。これで幸せとはとても言えない。

英サリー大学睡眠研究センターが発表した2013年の研究論文によると、私たちの気分は1日あたりの睡眠時間を1時間増やすだけ著しく改善する。研究チームが参加者を2つのグループに分けて実験したところ、睡眠時間が1日6.5時間のグループでは、炎症や糖尿病、がんのリスクやストレス反応に関連する遺伝子の活動が活発化した。これは大変! でも、このグループが睡眠時間を1時間増やしたところ、反対のことが起きた(その遺伝子の活動が落ち着いた)そう。

しかも、心理学者のノーバート・シュワルツ博士によると「年収が6万ユーロ(1千万円弱)増えたときより、1日の睡眠時間が1時間増えたときのほうが毎日の幸福感は高くなる」。これはスゴイ。今日は絶対1時間早く寝よう(もちろん、本当に年収が1千万円増えるなら大喜びするけれど)。

12.外に出る

1日中家の中にいると気が滅入る。風の気持ちいい晴れた日はまだしも、空が灰色の日は本当に嫌になる。

環境調査およびパブリックヘルス専門誌『The International Journal of Environmental Research and Public Health』に掲載された論文によると、自然の中に身を置けば、ストレスレベルが低下してメンタルヘルスが向上する。事実、樹木や草花が多い地域に住んでいる人は、収入レベル、人種や民族、雇用状況にかかわらず、樹木や草花が10%未満の地域に住んでいる人よりもストレスや不安、気分の落ち込みが少なかった。

だからといって引っ越すことはできないかもしれないけれど、外で過ごす時間を増やせば幸福度は高くなる。ランチタイムに散歩をしたり、いつものエクササイズを外でしたりしてみよう。まだ少し肌寒くても外で体を動かすのは意外と楽しい。

13.瞑想する

幸せになるために毎日できることの1つは、自分の内面を穏やかにすること。米国立バイオテクノロジー情報センターの研究によって、瞑想は脳の構造をよい方向に変えることが分かった。この研究で瞑想をした被験者は、しなかった被験者よりも大脳皮質(感情、注意力、感覚認識を処理する脳の領域)が強い上に厚かった。しかも、瞑想をすればするほど大脳皮質は厚くなったというからスゴイ。

瞑想は社会生活も向上させることが過去の研究で分かっている。これは、1人でも瞑想をすると思いやりが育まれ、孤独感が減り、人とのつながりが増えるから。

14.人のためにお金を使う

お金で愛は買えないけれど、そのお金を人にあげれば幸せが返ってくる。人のためにお金を使うことが私たちの健康やウェルビーイングによいことは数多くの研究で証明されてきた。しかも、科学専門誌『Science』に掲載された2008年の論文によると、その恩恵は大金持ちじゃなくたって受けられる。

とあるカナダの研究では、46名の参加者が5ドルか20ドルを与えられ、いずれも夕方5時までに使うよう指示された。その後この46名は2つのグループに分けられて、1つ目のグループは、そのお金を自分のため(家賃や請求書の支払い、自分へのプレゼント)に使うよう指示された一方で、2つ目のグループは、そのお金で人に贈るプレゼントを買うか慈善団体に寄付するよう指示された。結果、その日を終えた時点で幸福度が最も高かったのは、金額にかかわらず、人のためにお金を使った人たちだった。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Alexia Dellner, Meghan Rabbitt And Robyn Pierce And Ally Head Translation: Ai Igamoto

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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。 

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