元カレを忘れられない本当の理由とは
まずは色眼鏡をはずして見てみよう
別れたばかりの頃など、どんなに努力をしても元カレのことが頭から離れないことがあった。これは誰もが経験すること。彼があなたのことを傷つけたのか、ひどい仕打ちをしたのかは分からないけれど......。でもなぜそれを今でも思い出してしまうの? 忘れられない自分に困惑しているの? 元カレと最後に話してから何カ月あるいは何年も経っているのに、バラ色の記憶が繰り返し浮かんでくることも。
でも大丈夫。忘れられないのはあなただけじゃない。多くの人がなぜ別れることになってしまったのか、その理由を繰り返し考えてしまうもの。これは別れのプロセスの中で起きる自然なこと。元カレは、あなたが完全にオープンで、正直で、無防備でいることができる相手だったかもしれない。そうすると、今でもあなたやあなたの気持ちに影響を与えるのは理解できる。
でも、なぜ元カレに「執着」しているように感じるのか、そして、そのような感情がどのような意味を持っているのかを正しく理解することは重要。この別れを乗り越えて、より幸せに、より健康になる方法を知るためにも、読み進めてみて。今回はアメリカ版ウィメンズヘルスから、元カレを忘れられない理由についてご紹介。
どうして考えるのをやめられないのか?
残念ながら、簡単な答えはない。昔の写真や、記念日になるはずだった日などがトリガーになって、前の関係が頭をよぎることはある。あるいは、最近またデートを始めても、昔の恋人と比較してしまったのかもしれない。
私たちは習慣の生き物。実用的な習慣(例えば、出社するときの行き方)や身体的な習慣(例えば、足をたたいたり、髪をいじったりすること)だけでなく、感情的な習慣もあると説明するのは、リレーションシップ&ファミリーセラピストの資格を持ち、メンタルヘルスアプリ「Mine'd」の創設者でもあるシャディーン・フランシス。
「私たちが日常的に感じていること、期待していること、希望していることがあります。『習慣』や 『ルーティン』とは、私たちが意識的または無意識的に作り出した、自分の世界をより簡単にナビゲートするための反応パターンのことです」とフランシス氏は説明する。
「自分がつくり上げたルーティンを実際に検討することになるのは、状況が実際に変わった時です」とフランシス氏。つまり、自分の感情的な習慣がどれほど定着しているかを理解するには、関係が終わりに近づいたり、本格的な破局を迎えたりする必要があるということ。とくに、悲しみにくれている間は「ポジティブな時期の記憶と辛い時期の記憶の両方」が表面化するため、「元恋人のことを考えるという感情的な習慣を断ち切るには、しばらく時間がかかります」とフランシス氏はいう。
悲しみの感情はすぐに現れないかもしれない。というのも、たとえ別れを予見していたとしても、別れを切り出したのが自分であったとしても、今までの日常生活を壊すことは大きな衝撃がある。だから、付き合っていたときと同じように元カレのことを考えてしまうことがあるかもしれない。そして、思い出した後にもう一緒にいないことに気づくのだ。
そのような思いが一瞬だけなのか、常に続くのか、その差はあるが、元カレのことを思い出す日々はかなりの間続いてしまうものだ。フランシス氏は「元恋人のことを考えたり、もっと正確に言えば感じたりしなくなるのにかかる時間は決まっていません」
付き合っていた期間の半分を過ぎれば、その人を乗り越えることができるという説もあるが、フランシス氏はそういった時間軸を置くことには賛成しないそう。
「この一連の流れは、困難な感情や不快な感情と折り合いをつけること、自分自身を理解すること、自分を支えてくれるものを見つけること、気分を上げるための機会を求めてオープンになることを自分に許すこと。このようなことを学ぶためのものです」と彼女は説明する。
これは執着なのか?
別れてからしばらく経っている場合や、2人の関係のさまざまな面を頭の中で再現しているのに、その理由が分からないのは、執着が原因かも。しかし、フランシス氏は、とらえ方を変えてみるようにアドバイスをしている。
あなたの「強迫観念」が、実は「警戒心の強さ」だとしたら? 「私たちは、自分が安全だと感じられないときに、細かいことに焦点を当てる傾向があります。とくに、別れや関係全体が痛みにつながっている場合は、答えを求めている側面もあり、関係を何度も思い出してしまうのです」
このような思考が起きているとき、フランシス氏は、たいてい同じ質問が続くと指摘する。なぜこのようなことが起きたの? なぜこんなことになったの? 自分はできる限りのことをしたのだろうか?
「私たちがこのような情報を求めるのは、私たちが生存するようにできていて、自分で自分を守ることができると感じたときに最も安全だと感じるからです」というのが彼女の説明。
これはどのような意味があるの?
元カレのことを考えるのは文字通りいつでもできてしまう。他の人と付き合い始めた時や、付き合う可能性を考え始めた時も、元カレのことが頭をよぎる可能性がある。元カレのことが頭から離れなくなると、次の恋愛に向けて本当に前に進めているのか自信がなくなるかもしれない。
フランシスは「将来に向けて前進するためには、過去のことを一切考えてはいけないという誤解があると思います。しかし、過去の恋愛はあなたの人生の一部であり、現在の自分について何を学び、何を理解しているかを教えてくれるものです」という。
もし、新しい人と付き合う準備ができているなら、それは素晴らしいこと。結局のところ、昔から言われているように「別れを乗り越える最良の方法は、誰かと付き合うこと」なのだ。
ただ、自分が気晴らしを求めているだけなのか、それとも弱い自分も見せられる状態になっているのかを認識することは重要。「たとえそれが素晴らしいものであっても、新しいつながりだけでは、古い傷を癒やすのには十分ではないでしょう。だから、また元カレを思い出すという作業をしなくてはいけません。そして、もしあなたの気持ちが今に向いていないようであれば、過去があなたを邪魔しているように感じるでしょう。どのような感情であれ、今あるいは未来のパートナーに伝えましょう。そうすることであなたの求めていることや、気持ちを正確に知ることができます」とフランシスはアドバイスする。
元カレのことを考えるのが問題になるのはどんなとき?
たまに元カレのことを考えるのは普通のこと。でも、それが生活や感情にどのような影響を与えるかに注意を払おう。そしてそれがどんな時に起きるのかを知ることが大切。前の恋人のことを考えることが、恋愛やその他の人間関係の妨げになっていたり、新しいパートナーを見つける妨げになっていたりする場合は、なぜ元カレとのことがこれほど影響しているのかを考えるヒントになるかも。
元カレのことを考えることは、あなたの負担になり、それは軽視できない。
「自分の考えや記憶を、心の中で再生する映画のようなストーリーとして考え、映画が終わったときにどう感じるかを自問してみてください。元カレを多い出すことでいつもつらくなったり、不安になったり、日々の生活に支障をきたすのであれば、問題を抱えているといえます。将来に絶望をしたり、自分や他人を傷つけるような行動につながることも問題です」とフランシス氏。
このいった場合は、外部に助けを求めることを提案する。
「愛する人とのつながりを大切にし、必要なときに自分を支えてくれる人に手を差し伸べてください」とフランシス氏はアドバイスする。過去のトラウマを癒やし、精神的なサポートをしてくれる恋愛セラピストの力を借りることも検討して。
別れたのには理由がある
元カレのことを考えるのを止めることはできなくても、それを乗り越えることはできるの? 例えば、過去の恋愛を理想化してしまうことはよくあること。実際は悪いものでも、自分の中で正しく状況を描けていないこともよくある。そんなときは、「元カレには別れた彼なりの理由がある」と自分に言い聞かせて。そして、その理由を書き出したいならペンと紙を用意しよう。
自分では思い出すのはどうしようもないことのように感じるかもしれない。でも、最終的にはそうではないということを覚えておくことが大切。
「何に注意を向けるかは自分で決めることができます。でも、恥をかいてまでその気持ちを変えることはできません。だから、気持ちを高めようとするときには、自分を思いやる気持ちを持つようにしましょう。そして、自分は大切にされてサポートされるに値する存在であることを忘れないでください」とフランシス氏はアドバイスする。
別れて間もない人も、恋愛が完全に過去のものになった人も、元カレのことを考えるのは、アイスクリームを食べたり、悲しい映画を見たりするのと同じように、癒やしのプロセスの一部。たまに考えても気にしないで、自分の人生の中で元カレが果たしている役割を意識しよう。そして忘れてはいけないのは、そんな感情すらも、あなただけが得たものだということ。
※この記事はアメリカ版ウィメンズ・ヘルスより翻訳されました。
Text: Gabby Shacknai Translation: Noriko Yanagisawa