CBDに関する「大切な3つのこと」を、専門家にASK!
摂取量や規制、研究結果の総まとめ
最近耳にするようになったCBD。CBDを含むさまざまな商品も出始めているよう。しかし大麻オイルともいえるCBDを、摂取したり体に塗ったりすることは、果たして本当に有益なの? 今回はCBDについて詳しくご紹介。
CBDとは、カンナビジオールのこと。これはマリファナや麻など、大麻植物のオイルに含まれる400種類の中の一つである。不安や慢性的な痛みなどの症状を緩和するとし、多くの薬効成分が期待されているという。しかし、現段階ではこれらの主張を裏付ける科学的根拠が不十分であり、全てのCBD製品から同様の効果が得られるとは限らないそう。
そこで今回は、科学や研究、医学、法律業界の経歴を持つ専門家チームが、現在最新のCBDに関する規制や証拠を解説してくれた。専門家たちが理解しておいてほしい、CBDについての内容を見ていこう。
1.CBD製品のラベルには、誤った情報が記載されているかも
現在CBD製品は、食品医薬品局(FDA)を始めとする規制機関によって、製造や販売に対する規制がされていないという。
「CBD製品には、不正な商標が付けられています」と話すのは、大麻と健康に関する国際研究センターで教育指導のディレクターを務めるスタシア・ウッドコック薬剤博士。
「CBDの成分に関する試験要件はなく、ラベルに記載されているものが実際に含まれているかを証明できる規制機関もありません」。それだけでなく、農薬や重金属、汚染物質などの医薬品添加剤に対する規制もないそう。
結果としてCBD製品の多くが、誤解を招くような情報を記載している。例えば少量のCBDに関する効果の研究は、十分に行われていないという。さらに植物由来と合成のCBDに関する混乱も多く、人工的に合成されたCBDであれば危険性は否定できないだろう。
本物のCBDを手に入れたとしても、表示内容が正確ではない場合もある。米国医師会雑誌『JAMA』に掲載された2017年の研究によると、試験対象だった10種類のCBD製品のうち7製品が、ラベルに記載されている量のCBDを含んでいないことが明らかになったという。
このことから、ウッドコック薬剤博士が言うように、消費者にとって安全なCBD製品を見極めるのが困難となった。
2.CBDの誇大宣伝に関して、科学が追いついていない
討論者であるジュリア・アーンステン医学博士、リン・パロドネック医学博士、ジャハン・マルク博士らは、消費者の期待と科学が証明するCBDの効果に格差ができていることを指摘し、現段階での研究内容について述べた。
多くのCBD製品が、あらゆる症状を緩和すると主張されている一方で、「CBDの誇大宣伝に関して科学が追いつけていません」と専門家は話している。FDAが治療薬として、承認したCBD製品はあるが、その効果と悪影響を概説するのに十分な証拠は不足している。
「米国では、ヒトを対象に大麻を用いて研究を実施するのに問題があるのです」と、マルク博士。 大麻はスケジュール1(医学的価値が無いとされる)の物質とされている。つまり、政府がそれを医療用途としての利用を認めず、安全でないものと宣言したことを意味するそう。 「大麻に関する研究のほとんどが、利益ではなく有害であることに焦点が置かれていることを説明しています」とマルク博士。
特定の症状を緩和するとされるCBD製品を避けるよう、専門家はアドバイスしている。「もし、あるCBD製品が特定の深刻な病気を治すと主張していたら、科学的根拠が存在しないので問題となります」と話すのは、連邦取引委員会の上級弁護士であるキース・フェントンミラー。今年は「これらの深刻な主張に対していくつかの重要な執行活動が見られると予測しています」と述べている。
3.商品を見極めよう
米ヘンプ機関(US Hemp Authority)、米国業界団体(the United Natural Products Alliance)、米国連邦取引委員会、そして医療大麻での大麻の使用を法律改正しようと試みている米国無利益団体(The National Organization for the Reform of Marijuana Laws)など、CBDの生産や研究、製造、貿易に関する規制を後押しするために、さまざまな活動に取り組む組織が多く存在している。だが、規制されるまでの間は、どのCBD製品が安全で、どの製品を避けるべきかを見極めるのは、基本的に消費者の責任である。「第三者企業と契約して製品を試験し、分析証明書と検査結果を一般公開している企業はたくさんあります。そうすることで、実際にその成分がその製品に正しく含まれているかを確認することができます」と、ウッドコック薬剤博士。
評判の高い商品を探すには、企業サイトで分析証明書を確認しよう。優良な企業は、実際に製品に何が含まれているかを示すために、分析証明書を開示しているから。
結局のところ、現段階ではCBDに関して明確に定義された回答はなく、研究も十分に行われていないそう。CBDを検討している人は、「入念に情報をリサーチし、質問をして、自分が信頼できる製品のみを使用することです」と忠告するのは、民間非営利団体「Longview Strategic and Carmody Siegel」に所属する弁護士、エリー・シーゲル。事前の情報収集は欠かせない。
※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。
Text: Nicol Natale Translation : Yukie Kawabata
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