目の充血、かすみ、疲れ。スマホとPCから切り離せない私たちの生活で、酷使し続けている目。五感のなかで8割以上が視覚と言われ、カラダのなかでも特に大切な器官なのに、あまりケアをしていない人がほとんどなのではないでしょうか。

今回はアーユルヴェーダ的アイケア法をご紹介。ちょっとのケアで、疲れ知らずのいきいきとした瞳を手に入れましょう。

目は温めてはいけない部位

close up of a young woman's face with a face mask on it
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アーユルヴェーダでは目はピッタ(火のエネルギー)が司る部位と考え、基本的には冷やすべきだと伝えています。

キュウリの輪切りを乗せている写真やイラストを見たことがある人も多いかと思いますが、熱を鎮めてくれるキュウリでパックするのは、理に適ったことなのです。

目を温めるグッズも数多く出回っていますが、ドライアイや充血した目は明らかにピッタが高まっている状態なので、温めるのはNG。

基本的には濡れタオルなどで冷やしてみて、それでも改善しないようなら温めてみるようにしてみてください。

簡単にできるアーユルヴェーダのアイケアをご紹介します。


ローズウォーター

now my makeup will last from day into night
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ローズウォーターは、薔薇の花を水蒸気で蒸留する「水蒸気蒸留法」で作られたもの。水に花びらを漬け込んだり、水分にローズのアロマオイルを混ぜたものだと思っている人も多いのですが、花が持つ水分だけを抽出したもので、水分は一切加えていないのです。

天然のバラの香りを贅沢に楽しめるこのローズウォーターは、熱を下げてくれる効果が高く、お肌だけでなくアイケアにも便利。

目に入ってもしみることはないので、目と目周りが疲れた時にぜひ使ってみて。

ミストタイプのものを選ぶと便利ですよ。仕事中のアイケアのついでに、肌にもひと吹きして、水分をチャージさせて。

目周りのツボ押し

目の周辺は他と比べて皮膚が薄いので、強く擦らず、垂直に指の腹で優しく押し流すことが大切。

血流をアップさせるので、充血や眼精疲労だけでなく、クマやむくみにも有効です。ツボ押しなので仕事中やメイクの上からでもOK。スキンケアの途中に取り入れるのもおすすめ。

アーユルヴェーダ 目 アイケア
  1. 上まぶた目頭からこめかみまで、くぼみに沿って薬指で特に優しく流す。
  2. 下まぶた目頭からこめかみまで、頬骨の上に沿って薬指で特に優しく流す。
  3. 目頭★、眉頭の下★、目尻★を軽く押す。

ギーで鎮静させる

ghee clarified butter desi in glass jar with spoon made from wood on natural wooden background
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最近このコラムにもしばしば登場するギーですが、ギーにも熱をクールダウンさせるパワーがあります。

目の周りにパン生地で土手をつくり、溶かせたギーを流し込むアーユルヴェーダの施術「ネトラバスティ」があります。これは、眼精疲労、ドライアイ、アレルギー、目周りの小ジワやくすみ、さらに白目のホワイトニングにも効果があると言われているもの。

日本でもアーユルヴェーダサロンで実施しているところは数多くあるのですが、水中眼鏡や目の洗浄に使用する容器を使うと自宅でも手軽に取り入れることができます。

38〜42度ほどの人肌に温めたギーを容器に入れ、目をつけて数分、開けたり閉じたりして瞳の中にまで浸透させます。

さらに手軽に、コットンにたっぷりと温めたギーを浸し、目の上に乗せて置く方法も。

この場合も時々目を開けて、目の中にギーが入るようにしてみて。大切な目を、これからも使い続けるために簡単なケアを重ねていきましょう。

そしてなによりスマホやPCは時々休んで、遠くを見ることも忘れないでくださいね。

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三野村なつめ
アーユルヴェーダ・アドバイザー、ARYURVIST

元コピーライター。南インドやスリランカを数度訪れた後アーユルヴェーダ・ライフスタイルアドバイザーの資格を取得。コスメブランド「ARYURIVST」やレシピとスパイスがセットになった「整えごはん」を立ち上げる。ARYURVISTから、毎日のクレンジングで角質ケアまで叶う“オイルピール クレンズ”新発売! 

Instagram: @aryurvist_official