チアシードプリンが大ブレークしただけに、チアシードを一時的なトレンドだと軽視する人もいるかもしれないけれど、実はそれは大間違い! チアシードはアステカ文明(1428年ごろから1521年まで)から食べられていたもので、栄養価がずば抜けて高く、現代の食事に取り入れるべき価値がある。ちなみに、1gあたりのチアシードに含まれるタンパク質は、ゆで卵より6gも多いとか。

さっそく、あなたがまだ知らないチアシードを食べるべき8つのメリットをイギリス版ウィメンズヘルスからみていこう! 

チアシードの主要な栄養成分

タンパク質、食物繊維、必須脂肪酸が豊富なチアシードの栄養はこちら。

チアシード(28gあたり):食物繊維(11.2g)タンパク質(5.6g)脂質(8.4g)炭水化物(13g)

チアシードはダイエットにも効果的?

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Peter Dazeley//Getty Images

チアシードは水を混ぜると膨らむので、ロンドン産婦人科の栄養療法士であるローラ・サザンいわく、満腹感をしっかり得ることができる。「これに加え、食物繊維(大さじ1杯あたり約5g) 、脂質、タンパク質が豊富であるため、体は満足感を感じられ、砂糖が多く使われた甘い食べものを食べたくなることも減るはずです」

ちなみにカロリーは、大さじ2杯(約28g)でたった131kcal!

チアシードをなんにでも振りかけるべき8つの理由

タンパク質が豊富である事実はさておき、ここからは、チアシードを料理に大さじ1杯加えることで、どんなメリットが得られるのか見ていこう。

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Romona Robbins Photography//Getty Images

1/ 糖尿病と戦ってくれる

これに関する研究はまだ少ないけれど、カナダの研究によると、チアシードはグルコースを血中にゆっくりと放出する糖質に変換してくれることから、血糖値を安定させる効果がある。

2/ 乳製品の優れた代替食品になる

同じ重量であれば、チアシードのほうが乳製品よりもカルシウムの含有量は多い。たった28gで1日の推奨摂取量の18%を補うことができる。

水に浸せば(1:3の比率で試して)、ただの種がヴィーガン向けの栄養たっぷりの卵の代わりになるのも、チアシードのスゴイところ。

「私はいつも、バナナローフやフラップジャックなど焼き菓子を作るときにチアシードを加えています。食物繊維とさまざまな栄養素を簡単に増やすことができますからね」とサザン。

3/ ホルモンバランスを整えてくれる

ここ数年、生理不順や重い生理痛、膣の乾燥、乳房の痛みなど、ホルモンの問題を抱える女性が増加している。

「チアシードには、タンパク質、食物繊維、必須脂肪酸が含まれています。これは、ホルモンバランスを整えるうえで必須となる栄養素です」とサザン。

4/ タンパク質の含有量が非常に高い

植物食品にしてはとくに高い。

チアシードは約14%がタンパク質なので、もしあなたがヴィーガンやベジタリアン、もしくはお肉を減らそうとしているなら、チアシードが理想的な代替食品に。

必須アミノ酸も含んでいるため、体内で吸収されやすいタンパク質を摂取できるのもうれしい。

5/ 老化を遅らせる

美の健康にもメリットをくれるチアシードには、細胞分子を損傷するフリーラジカルの生成と戦ってくれる抗酸化物質がたっぷり。この小さな種を食べると、あなたの実年齢を推測できる人がいなくなるかも。

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Peter Finch//Getty Images

美の健康にもメリットをくれるチアシードには、細胞分子を損傷するフリーラジカルの生成と戦ってくれる抗酸化物質がたっぷり。この小さな種を食べると、あなたの実年齢を推測できる人がいなくなるかも。

6/ 消化器の問題を改善する

腹部膨満感や腹痛、不規則な排便習慣など、消化器の症状に問題を抱える人にはいい知らせ。

「便秘になりがちな人や、排便習慣が乱れがちの人にとって、チアシードは有力な便の軟化剤として機能してくれるかもしれません」とサザン。

ただし、注意点もある。「消化器障害や過敏性腸症候群(IBS)がある場合、チアシードを初めて食事に取り入れると便が緩くなることがあるので注意してください。心配であれば、小さじ1杯から取り入れ、数週間にわたって徐々に大さじ1杯程に増やしていくといいでしょう」とサザン。

7/ 大腸憩室症の管理に役立つ

これは、チアシードに含まれる食物繊維のおかげ。

食物繊維の多い食事は、便通をスムーズにして、大腸の炎症を減らす効果があるので、発作の再発が少なくなることに結びつけられている。

8/ がんを予防する

これもさらなる研究が必要な分野だけれど、チアシードは抗酸化物質であることに加え、リグナンも含まれている。リグナンは、亜麻仁に関する研究で、腫瘍細胞の成長を抑制する働きが示されている。このことから、チアシードはがんと戦う性質を有していると考えられているそう。

チアシードの食べ方

closeup of a bowl filled with granola with berries and oats
Wirestock//Getty Images

チアシードの健康効果を実感したいなら、まずは最大限に活用する食べ方を学ぼう。

「まず頭に入れておくべきことは、チアシードは液体と一緒に食べる必要があるということです。水に浸す前のチアシードはただの小さな黒い種(ポピーシードに似ている)ですが、液体と一緒にすると膨らんでゼリー状になります。カエルの卵のような感じです」とサザン。

「クライアントには、大さじ1/2–1杯程度のチアシードを摂るようにアドバイスしています。摂り過ぎると便が緩くなることがあるので(これが便秘にいい理由なのですが)、初めは少量から取り入れることをお勧めします。シリアルやオーバーナイトオーツ、ポリッジなどに加えてみてください。牛乳や植物性ミルクはもちろん液体として作用します」

チアシード、黒と白の違いはなに?

チアシードには黒と白の2種類あるが、サザンいわく、栄養価の違いはほとんどない。黒いチアシードは白いチアシードに比べて若干小さいので、食用に利用されることが多く、白いチアシードは挽いて粉にして使われることが多い。

むしろ、チアシードを食べない理由なんてある?
 
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: EMMA PRITCHARD Translation : Yukie Kawabata

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Emma Pritchard
Contributing Health Editor
Emma interviews the world’s leading sportswomen, top health experts, and women who have turned their lives around through fitness – women like you. You'll often find her scoping out an inspiring story and training to teach Pilates – sometimes at the same time; who doesn’t love a challenge?
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短大卒業後バンクーバー、メルボルンで2年留学した後、外資系客室乗務員として勤務。2018年に退職後、翻訳者としてフリーランスに転身。アメリカで統合栄養学を学んだ経験もあり。