食べ物には流行りすたりがあるけれど、一部の食事法は冗談抜きで健康によい。そして、最新の研究により、ベスト中のベストと言える食事法が判明した。

その食事法の名は、あなたも聞いたことがあるはず。

72万2000人以上の女性を対象とした新たな研究により、地中海式ダイエットは女性の心疾患のリスクを24%低下させ、早世の確率を23%も下げることが明らかになった。オーストラリア版ウィメンズヘルスから見ていこう。

「地中海式ダイエットは健康的で、とくに心臓によいことで知られていますが、食事法と心疾患に関する過去の研究のほとんどは、男性を対象にしていました」と説明するのは、オーストラリアのシドニー大学ウェストミード臨床研究センターの博士候補生で、この研究チームを率いたアヌシュリヤ・パント。

「でも、今回の研究により、男性に見られる健康効果が女性にも見られることが分かりました。これは、地中海式ダイエットが心臓によいという主張を裏付けるものです」

循環器学専門誌『Heart』に掲載された同論文によると、地中海式ダイエットのガイドラインに従って食事をした女性たちは脳卒中の発生率も低かった。つまり、この食事法は心臓だけでなく脳にもよいということになる。

この論文の統括著者で、シドニー大学ウェストミード臨床研究センター助教授およびオーストラリア国立心臓財団フューチャー・リーダー・フェロー会員のサラ・ザマンによると、健康的な食生活は心疾患を防ぐうえで大事な要素。

地中海式ダイエットがこのような効果を発揮する正確な仕組みは研究チームにも分かっていない。でも、今回の研究結果が女性の循環器系疾患予防におけるゲームチェンジャーになることは間違いないなさそう。

研究チームは「早期閉経、妊娠高血圧腎症、妊娠糖尿病といった女性特有のリスク因子、そして全身性エリテマトーデスをはじめとする女性優位のリスク因子は、どれも単独で循環器系疾患のリスクを高めます」としたうえで、「炎症や循環器系疾患のリスク因子を狙う地中海式ダイエットのような予防策は、男性と女性に異なる作用を及ぼす可能性があります」と、この食事法に秘められた能力を指摘した。

地中海式ダイエットとは?

オーストラリアで国の食事指針が定める野菜とフルーツの推奨摂取量(1日あたり少なくともフルーツ2食分と野菜5食分)をクリアしている女性は10人中1人に満たない。だからいまこそ、長きにわたり心臓によいと言われてきた地中海式ダイエットを試すとき。

地中海式ダイエットは、カロリー計算や糖質カットに重点を置くダイエットプランじゃない。これは、1960年頃のギリシャおよびイタリア南部の食事法を再現したもの。当時この地域は、慢性疾患の発症率が世界一低く、寿命が世界一長いことで知られていた。地中海式ダイエットの中心は野菜、フルーツ、全粒穀物、豆類、そしてオリーブオイルやナッツといったヘルシーな脂質。シーフードと脂肪の少ないタンパク源も控えめに摂取する。

この食事法を続けていれば、腸内細菌が元気になって体重が減り、うつ病や妊娠糖尿病のリスクが下がることもある。

ここまで聞けば、試してみる価値がありそうでしょう?

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Alix Nicholson Translation: Ai Igamoto