ヒップスラストは怪しいナイトクラブの名前ではなく、お尻を鍛えるエクササイズ。オンラインフィットネスプラットフォーム『The Foundry』のディレクター兼トレーナーのローラ・ホギンスも「お尻のエクササイズと言えば“スクワット”と答える人が多いですが、ヒップスラストは非常に効果的でマスターしやすいエクササイズです」とイチ押しの様子。今回はこの内容をイギリス版ウィメンズヘルスからご紹介。
ヒップスラストのメリット
見た目は別として、お尻が強いと良いことがめじろ押し。背中にかかる負担が減るし、ケガのリスクも低くなる。
お尻が強ければ、他の部位のワークアウトの結果も出やすい。
「デッドリフトが好きな人は、ヒップスラストをルーティンに加えてみましょう。デッドリフトのテクニックが向上し、持ち上げられる重量が増えますよ」とホギンス。
また、臀筋を鍛えれば、スプリントのタイムが伸びる一方でケガのリスクが減るというから、ランナーにとっても一石二鳥。
ヒップスラストで鍛えられる筋肉
ヒップスラストは体で一番大きな筋肉=大臀筋を鍛えるだけでなく、ハムストリングス、大腿四頭筋、内転筋にも火をつける。
ヒップスラストとヒップブリッジの違い
この2つは確かに混同されがち。臀筋の力を使い、腰をグッと持ち上げるという共通点はあるけれど、全く同じエクササイズではない。
ヒップブリッジは床で行うエクササイズ。ウエイトの代わりにレジスタンスバンドが使われることが多く、宅トレのヒーロー的存在。
一方のヒップスラストは、背中の上部をベンチ(またはソファ)に乗せて行う。そうすることで、バーベルのようなウエイトを動かすスペースが広くなる。
ヒップスラストでは可動域が広くなり、ウエイトの重量が増やしやすい分、難しいと思われがち。でも、ヒップスラストもヒップブリッジも臀筋(そして補助的にハムストリングス、大腿四頭筋、内転筋)を鍛えるエクササイズであることには変わりないので、最終的に考慮すべきは、どっちの方がやりやすいか。
ベストな結果を出したいのなら、両方セットでやってみて。
ヒップスラストのやり方
1.床に座り、肩甲骨をベンチかステップに当てる。ダンベルやバーベルを使うなら、股関節に乗せてバランスを取る。
2.アゴを引いたまま腰をグッと持ち上げて、お尻を浮かせる。
3.一番上で臀筋をキュッと締める。肩、股関節、ヒザは一直線になっているはず。
4.ゆっくりと慎重にお尻を下ろす。
ここでもやっぱりフォームが大事。「背中が(ベンチやソファで)支えられていて、バーベル(や他のウエイト)が股関節の上に無理なく乗っていることを確かめましょう」とホギンス。
「その上で深く息を吸い、かかとで床を押しながら、お尻を一気に押し上げます。頂点に来たら臀筋を締め、いったん止まって、ゆっくりと慎重に骨盤を下ろします」
※背中を痛めている人は無理をしないで。
ヒップスラストのトレーニングプラン
ゆっくりと、徐々に力をつけていこう。
初心者さんは自重でスタート。12回x4セット。休憩はセット間で30秒ずつ。どんなエクササイズでも、まずは基本をマスターすること。
フォームが完全に身に付いたら、ダンベルをアドオン。8~10kgのダンベルが上げられるようになると自信がつく。
難易度を上げたい人は、ヒザの少し上にレジスタンスバンドを巻いてみて。お尻を締めてヒザを押し広げると、バンドの緊張が保たれる。
ヒップスラストにありがちなミス
1.ウエイトが重すぎる
結果を出すのにヘビー級のウエイトは要らない。最初のうちは週2~3回、無理のないウエイトで8~12回やってみよう。筋力がついてきたら、負荷を高くすればいい。
2.お尻を高く上げすぎている
一番上では、お尻を締めたニュートラルなフォームを意識。そうしないと、背中に負担がかかりすぎる。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Kirsti Buick And Florence Mitchell Translation: Ai Igamoto