東京から約300キロ。日本でも屈指の雪質に恵まれるスキー場に隣接する、星野リゾート 磐梯山温泉ホテル。ウィンタースポーツを愛する人はもちろん、実は海外からのゲストやアスリートからも熱い視線を向けられている。その理由は上質な雪だけに留まらなかった! 現地取材から見えてきた、ヘルシーでラグジュアリーな旅がかなう理由とは? 本格的なシーズンインを前に、ウィメンズヘルスがその奥深い魅力の一端に迫る!
福島県耶麻郡磐梯町。スキーエリアとしては東京からとても近い位置にある、星野リゾート 磐梯山温泉ホテル。取材当日も、海外からのゲストやスキーヤーたちでにぎわっていた。その理由はなんといっても、極上の雪質。ここまでのパウダースノーはなかなかないと、海外からのゲストが詰めかける。
スキーコースは25を数え、東北地方内で5本指に入る規模の大きさ。雄大な磐梯山はもちろん、猪苗代湖のきらめく湖水を見ながら滑れるコースもあり、この景観の良さは世界的に見てもなかなかない。
奥に見えるのが、猪苗代湖。猫魔ヶ岳の磐梯展望回廊からはなめらかなパウダースノーと谷、そして湖水が全て楽しめる。
それだけではない。“スキーヤーファースト”な環境も人気の理由。東京から近距離というアクセスの良さもさることながら、スキー場へもすぐ。ホテル目の前のリフトに乗れば、すぐにコースへ。チェックインは16時、チェックアウトは13時……つまり、「ゆっくり長く滑れる」ロケーションと滞在設計になっているのだ。
磐梯山の他、厩岳(うまやだけ)、猫魔ヶ岳(ねこまがだけ)の3つの山に囲まれている好立地のメリットはそれだけではない。猫魔ヶ岳は北側の斜面のため雪が溶けにくく、春までスキーを楽しむことができる。1日だけではなく、季節を通してもスキーを堪能できるのも見逃せないポイント。
子ども連れでも存分に楽しめるのも特徴だ。キッズ専用のアカデミーを開講し、専門のインストラクターが常駐しているというから贅沢! ホテル ロビーの「Books&Cafe」では、小さな子ども向けに雪遊びや動物の足跡などをフォトシアターを使って紹介する「雪遊びのすゝめ」も。どんな人でも楽しめる……それが星野リゾート 磐梯山温泉ホテルの懐の広さ。
オリンピアンも通う!? アスリートたちのトレーニングスポットとしての顔
上質な雪質と東京からのアクセスの良さ。遠隔地まで行かなくても済むと、スキーやスノーボードの選手たちが足しげく通う。アスリートが愛用するのにはさらなる理由があり、実はパークが屈指のレベルだから。スキーやスノーボード選手にとって、レベルの高いアイテムはトレーニングの重要事項。熟練のアイテムの作り手の存在も、アスリートが支持する秘密の一つ。かつては日本オープンアジアオープンも開催されていたというスノーパークの実力は折り紙付き。
レベルの高いスノーボーダーがゲレンデを滑走! 雪質がいい朝の時間帯は熟練のスキーヤー、スノーボーダーたちでにぎわう。
極上の雪と、朝日と。バージンスノースキーは絶対に見逃せない!
ぜひ味わいたいのが、朝いちばんのゲレンデで滑るバージンスノースキー。降り積もった新雪を早朝のうちから整備した見事な斜面は、やはりスキーの醍醐味。その日の朝しか体験できないだけに、多くの人がバージンスノーをめがけて集合する。
本州の中では珍しい、きめ細やかでサラサラとしたパウダースノー。雪質にこだわる人々を虜にする極上の感触が、海外からのゲストも呼び寄せる。
会津の「伝統文化」と「今」を融合させた、ラグジュアリーステイ
星野リゾート 磐梯山温泉ホテルに一歩足を踏み入れると気がつくのが、至る所で見かける「会津のDNA」。福島の豊かな自然と文化……「今」と「昔」がさまざまなシーンに息づく。それもそのはず、会津藩は文化の保護と育成に努め、工芸品や食、そして温かな人柄に結実した。館内にも会津ゆかりのアイテムやデザインが五感を楽しませてくれる。館内だけでも十分楽しいけれど、会津若松市の繁華街までのバス「小原庄助号」も運行(*)しているので、市内で会津の伝統工芸や食と触れ合うのも楽しい。
*前日17 時までに要予約。
客室の一つ、「会津モダンスイート」。会津塗を現代の感性でとらえた「BITOWA(ビトワ)」のアメニティや名産の本郷焼のカップなど、会津のモダンデザインが楽しめる。壁には磐梯山と猪苗代湖、飛来する白鳥のデザイン。ホテルには会津の酒蔵30蔵全ての日本酒が揃い、セレクトされたおすすめの味がステイ当日に部屋のバーにセットされる。
メドネットタイプの「会津モダンスイート」。上階にはベッドが4台。中央のカウチはベッドになるので、計5ベッド。大人数の女子会に利用して、スキーを堪能した後は会津のアートの空間でわいわい楽しめる!
豊かな文化には豊かな食あり。目利きが厳選する会津の美味と美酒
レストラン「Kisse・Kisse(キッセキッセ)」は会津磐梯ならではの美味もそろう。郷土名物のわっぱめしや桜鍋に天せいろ、朝食には喜多方の食習慣、朝ラーメンが登場する日も。デザートのソフトクリームにはそばの花から作られたそば蜜、そば粉のパウダーをトッピング。
*画像はイメージです。
そばの店が集う街としても知られる会津若松。レストラン内ではそば打ちの実演があり、打ち立て、茹でたてのそばが供される。そば粉が99%、つなぎに山芋を使ったそばは、しっかりとしたコシとそばの風味が絶品。かつおと昆布だしを合わせたそばつゆは、万人から愛されるバランスの良い味。
歴史ある酒蔵と銘酒が集う会津。「会津SAKE Bar」では、会津の全酒蔵の日本酒をラインナップ。(左)冬季限定の純米生酒薄濁り。どっしりとした味わいの「会津娘 雪がすみの郷」。(中)福島の酒米を使った特別純米の「辰泉 夢の香(たついずみ ゆめのか)」。(右)豊かな香りを持ちながら、すっきりとした飲み口。一年に一度の全国の鑑評会で、8年連続金賞を受賞している酒蔵の1本。「夢酔月(ゆめすいげつ)」。
*画像の日本酒は取材時のものです。
リゾートセンターの「磐梯食堂」の人気メニューは塩カツ丼。かつは190グラムと食べごたえも十分。そのまま食べても、だしをかけてお茶漬け風にしても楽しめる。わさびをきかせると、さらに食欲が増す!
インナーケアからボディケアまでを堪能。会津の伝統文化にも触れて
会津は健康にまつわる文化も持ち、その代表的な存在が薬草だ。その歴史は古く、室町時代に遡る。1432年に蘆名盛久が別荘を建てた薬草園は、会津藩三代目藩主である松平正容公の時代に「御薬園(おやくえん)」と呼ばれるように。その知恵と薬草は連綿と受け継がれ、「Books&Cafe」ではフレーバーティー作りが体験できる。
また、米どころにふさわしく、近年美容界で注目されるライスキャリアオイルを使った施術もぜひ体験したいメニュー。「AUN(あ・うん)」は客室を丸々使ったトリートメントルーム。会津米の米ぬかを100%使ったオリジナルオイルを使い、ダイナミックな手技で心身をケアする。一室に1ゲストという贅沢なメニューなので、スキーやスノーボードで動かした体を心地よくリフレッシュできる。
温泉「朱嶺の湯(あかねの湯)」にも会津の息吹が宿る。会津漆器を思わせる朱と黒のモダンな空間に、ヒバの湯船。磐梯山麓から湧き出る湯は、旅の疲れをじんわりと流してくれる。
「AUN(あ・うん)」はシックで心落ち着く内装。アロマオイルを使ったリラクゼーションマッサージに使われるライスキャリアオイルは保湿の他、美白や毛穴ケアなどもトータルでケアすると期待されるオイル。ゆずのエッセンシャルオイルなど、日本の自然の恵みを生かしたオイルも。
漢方の素材である薬種を細かくするために使う道具、薬研(やげん)を使ってオリジナルのハーブティーを作ってみて(無料)。薬種は全8種(取材時)。ハトムギを入れるとバランスよく仕上がるそう。湯上り処では、会津の野山で育ったクマザサなど野草入りの「蔵茶(くらちゃ)」を無料でサービス。
病苦や労を追い払うという願いが込められた郷土玩具、「赤べこ」。プログラム「会津てわっさ」では、張子の「赤べこ」と土鈴「あかべぇ」の絵付け体験を楽しめる。「てわっさ」とは、会津弁で手仕事の意。「赤べこ」¥1,200、「あかべぇ」¥1,500。
銀世界の反射光と朝日を受けながら、体を始動。「爽朝(そうちょう)ストレッチ」では、インストラクターが眠っていた体が目覚めるような、心地よい動きをガイド(無料)。
全館丸ごと、そしてゲレンデやファイシリティも、全てがフィットで健康的。会津の奥深い文化を堪能しながらのヘルシーなステイ、この冬の旅リストに加えてみて。
星野リゾート 磐梯山温泉ホテル
住所/福島県耶麻郡磐梯町大字更科字清水6838-68
tel.0570-073-022(星野リゾート予約センター)
https://www.bandaisan.co.jp/
Photo:Cedric Diradourian