2003年に自治体として日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を行い、現在は80%以上のリサイクル率を達成している、徳島県上勝町。どのようにごみを分別、リサイクルをしているのだろうか。今回は、上勝町に教えてもらった、ごみの捨て方と消費行動のポイントについてご紹介!

ゼロ・ウェイストタウン 徳島県上勝町のごみの捨て方

①上勝町に「ごみ収集車」はない

上勝町

上勝町は、ごみ収集車が走ったことはないのだとか。町民は自家用車で町内唯一のゴミステーションまで持ち込む。手間はかかるけれど、ゴミステーションは年末年始以外開いているから、どんなごみも自分の都合のいい時に出せるというメリットがある。ゴミステーションには、毎日行く人もいるし、年に数回の人もいる。上勝町のアンケート結果によると、7~14日ごとに行く方が一番多いよう。

②ごみは、13種類45分別にする

上勝町
上勝町

上勝町民がごみを分別する場所は、ごみ置き場ならではの嫌な臭いがない。その理由は、生ごみは回収せず、食品の入っていた容器は洗って乾かしてから持ち込むからだ。そして、上勝町の一番の特徴は、13種類45分別をしていること。日本では、家庭から出るごみの約80%が焼却され、環境に負荷をかけている。焼却する前に素材ごとに分けることで資源が高く売れ、処理に費用が掛かる物も安く抑えることができるというメリットもある。家庭では、5~10分別くらいにしておいて、ゴミステーションで45分別に分ける人が多いみたい。

13種類の分け方

1.まだ使えるもの(くるくるショップへ)
2.生ごみ(回収せず、コンポストへ)
3.金属類
4.紙類
5.布類
6.バイオマス類
7.プラスチック類
8.びん類
9.危ないもの類( 陶磁器、ガラス類)
10.粗大ごみ
11.燃やさなければならないもの (紙おむつ、生理用品)
12.埋めなければならないもの
13.お金がかかるもの(廃タイヤ、廃消火器、特定家電)

45分別の詳しい分別方法を知りたい人はこちら

    ③プラスチックの袋は洗う

    プラスチック

    プラスチック製容器包装は、洗って乾かすのがルール。上勝町では、プラスチック製容器包装は年2回しか搬出しないため、濡れた物が混ざっていると、保管している間にカビが生えたり、虫が湧くことがあるので、自宅でしっかり対処する必要がある。容器包装リサイクル協会の検査で評価が落ち、あまりにも悪い状態が続くと引き取ってもらえなくなるのだとか。上勝町はこれまで最高評価を維持している!

    ④生ごみは堆肥に

    生ゴミ

    上勝町のゴミステーションでは、生ごみの受け入れはしていない。生ごみは、自分でリサイクルできる唯一の資源なので、堆肥にして使っているそう。都内だと、なかなか堆肥を使う機会がないけれど、最近では、家庭でコンポスト化した堆肥を回収し、地域の野菜をもらえるサービス「CSA LOOP」もある。

    ⑤まだ使える“もったいない”物は、「くるくるショップ」に持ち込む

    上勝町
    上勝町

    自分では使わなくなったけど、まだ使える“もったいない”物は、ゼロ・ウェイストセンター内にある「くるくるショップ」に持ち込むことができる(町民のみ)。ショップ内の展示品は、誰でも無料でお持ち帰り可能。ごみ出しのついでに、何か掘り出し物はないかと立ち寄るのも楽しみなんだとか!

    端切れは「くるくる工房」で小物に変身 
    上勝町ゼロ・ウェイストセンターの隣にはアップサイクルで小物・服づくりを行う「くるくる工房」がある。町内にある着物の端切れや毛糸のあまりなどを用いて、地域の住民がクリエイティブに暮らしに役立つグッズを製作している。
    (例)こいのぼりの生地を使ったポチ袋や農作業用の帽子など。

    今日からできる、消費行動のポイント

    消費行動のポイント

    ごみの捨て方は、自治体によって異なるため、私たちができることは「ごみを減らすこと」。消費行動で、地球にやさしい生活ができるので、スーパーで買い物をするときに上記のことを思い出してみて!

    □お話を伺ったのは……

    上勝町ゼロ・ウェイストセンターWHY
    徳島県上勝町にて、ごみのない社会を目指し生産者/消費者、町民/町外在住者が交流し学びあうことを目的に2020年5月30日(「ごみゼロの日」)にオープンした公共複合施設。施設内には、上勝町の廃棄物中間処理施設である「ゴミステーション」、コミュニティ/イベントスペースである「交流ホール」、シェアオフィスとして利用できる「ラボラトリー」そして、ゼロ・ウェイストアクションをコンセプトに掲げた宿泊体験施設「HOTEL WHY」が設置されている。上勝町は2003年に日本国内で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を行い、ごみの総量削減とリサイクルに取り組んできた結果、リサイクル率は80%を達成し、2018年に「SDGs未来都市」に選定されている。
    why-kamikatsu.jp/

    Headshot of Nana Fukasawa
    Nana Fukasawa
    ウィメンズヘルス・エディター

    2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。