会社での忘年会や、家族や友人との集まりなど、何かとお酒を飲む機会の年末年始。真夜中まで最高の気分でお酒を飲んでいたのに、わずか7時間後には裏切られた経験がある人も、おそらくいるのではないだろうか。
とはいえ忙しいこの時期。二日酔いだからといって一日中寝てばかりもいられない。
ここでは管理栄養士が、そもそもなぜ二日酔いになるのか、最適な食べ物や必要な栄養素は何か、できる限り早く体調を回復させる解説策をご紹介。つらい思いをする前に、ぜひチェックしてみて。
なぜ二日酔いになるの?
基本的には、アルコールが体内の水分を奪ってしまうため。飲んだ量が多ければ多いほど、お酒を処理する過程で失われた水分や栄養などを体が欲し、気分が悪くなってしまう。
「アルコールは特定の栄養素の吸収を妨げる可能性があり、尿の量も増えます。飲んだ翌日に起きた際に脱水状態になりやすいため、ナトリウムやマグネシウムなどの電解質や栄養素を補給する必要があります」と説明するのは、NYで栄養カウンセリングを行うLK・ニュートリションのメンバーで、登録栄養士のエリン・ツァイさん。
そもそも二日酔いは、飲む前に食べたり飲んだりしているもの(あるいは何も食べていないこと)から始まっている。
カナダのカルガリーに拠点を置く登録栄養士で、直感的な食事方法に詳しい認定カウンセラーのヴィンチ・ツイさんによると、空腹時に飲酒をして脱水状態になると、アルコールの吸収が速くなり、二日酔いがひどくなるという。
ハッピーアワーで何も食べないままつい飲み過ぎてしまったときは泥酔したのに、友人の誕生日ディナーで同じだけ飲んでも平気だった、などということが起きるのはそれが理由だ。
二日酔いってどれくらい続くの?
医療機関クリーヴランド・クリニックがウェブサイトに掲載している情報によると、大抵の場合は1日でおさまるが、それ以上続く場合もあるという。少し曖昧な表現だが、最長で2日続いた人もいるそう。
二日酔いを防ぐ方法は?
残念ながら魔法のような方法はないが、トライできることはある。
まずは、飲む前に何かを食べること。「アルコールを代謝するためには、亜鉛とニコチン酸という栄養素が必要ですが、これらの栄養素は体内で合成できないため、食事に頼るしかないのです」とツァイさん。食べられるのなら、ハンバーガーやロブスターロール、ロティサリーチキンでもOK。肉類や甲殻類には、亜鉛とニコチン酸が多く含まれているそう。
ツァイさんは、タンパク質を多く含む卵サンドや、ヴィーガンであれば、豆類が入ったグレインボウル、ピーナッツバターを塗った全粒粉トーストなども推奨。最初の一杯の前に食べておくことで、体内からアルコールが排出されやすくなる。
さらに、出かける準備をしながら水分補給は積極的に。ツァイさんによると、80〜100オンス(約2400〜3000ミリリットル)の水を飲むのがいいという。
「重要なのは、お酒を飲み始めてからも水分を摂り続けることです」水とアルコール飲料を交互に飲むことを勧めており、「これは水分補給だけでなく、飲酒のペースを落とすこともでき、二日酔いの程度を軽減できます」と続ける。ちなみに、翌朝頭がズキズキするのは主に脱水症状が原因。
二日酔いに効果的な食べ物&飲み物は?
1)とにかく「電解質」
まず、ナトリウムやマグネシウム、カリウムなど、失われた電解質を体内に戻す必要がある。ツイさんが勧めるのは、ココナッツウォーターなど電解質の補給をサポートする飲料を少しずつ飲むこと。一気に飲むと、気持ちが悪くなってしまう可能性もあるので注意!
2)コーヒー&紅茶
カフェインには利尿作用があり、体から水分を奪うので、飲み会の前には避けた方がいい。しかし、二日酔いになった後だと、ゲームチェンジャーにもなり得る。目覚めの助けとなるだけでなく、コーヒーや紅茶で得た水分が、カフェインで打ち消されることはない、とツァイさん。吐き気が強いときは、ジンジャーティーがおすすめ。
3)グリーンジュース
ツァイさんによると、アルコールを適切に処理するために必要なもうひとつの栄養素が葉酸(別名:ビタミンB9)だという。葉酸を摂取するには、葉物野菜や柑橘類が最適。二日酔いのときに本格的なサラダを食べるのが難しいなら、グリーンスムージーやオレンジジュースと一緒に、亜鉛を多く含む卵を食べることをツァイさんは提案する。
4)アボカド
朝食にはちょっと高価なアボカドトーストだけれど、その価値は十分あるそう。アボカドトースト1枚で、ニコチン酸、ビタミンB群、電解質のカリウムが全て含まれている、とツァイさん。
5)食べられるものなら何でもOK
ひどく酔った後なら、とにかくまずは食べ物を手に取ること。クラッカーやプレッツェル、トーストなどのシンプルな炭水化物から始めると、体はアルコールを吸収しやすくなる。
ツァイさんによると、塩気のあるクラッカーにはナトリウムが含まれるため、水分を体内に保持し、脱水症状が起きにくくなるそう。ただし、吐き気があるなど固形物を食べるのがつらい場合は、「胃の調子が落ち着くまで、スムージーやスープを口にしてみてください」とのこと。
他にできることはある?
1)運動と休憩を交互に繰り返す
ときには体を動かしてエネルギーを高めることも必要。軽めから適度な運動(ヨガや早歩きなど)なら、体からアルコールを押し出すことができる。
ただし運動をするのであれば、水分補給と食事は普段の1日の量と同じようにすること、とツァイさん。また、二日酔いからの回復には休養を取ることも大切で、症状の解消に役立つかもしれないと彼女は続ける。
2)自分をいたわる
二日酔いの日には、マッサージやフェイシャルエステ、鍼治療などのウェルネス・トリートメントで贅沢をするのもあり。もちろんお風呂に長めに入ったり、時間をかけてスキンケアを行うなど、お気に入りのセルフケアを取り入れるだけでもOK。できるだけ自分の好きなように時間を過ごしてみて。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
From COSMOPOLITAN US
高校生時代にアメリカンカルチャーの影響を受け、大学在学時にアメリカ・シアトルにてホームステイを経験。海外ドラマに関するWEBメディアでライターを務める。海外エンタメ・セレブ、ロイヤルファミリー、ヘルス・ウェルネス記事をメインに、翻訳を担当。手話技能検定3級、世界遺産検定2級、アロマテラピー検定1級を持つ。